大瀧詠一ファンが集まる “聖地”・瑞穂町図書館がリニューアル。ヒーロー絵師・菅原芳人氏による肖像画が掲げられたライブラリーも新生!

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■ヒーロー絵師が描いた憧れの人… ’80年代の大瀧詠一

「大瀧詠一さんライブラリー」自体はもちろんですが、今回のリニューアルで注目すべきなのが、新たに飾られることになった大瀧さんの肖像画です。

▲「大瀧詠一さんライブラリー」の壁面に飾られた、菅原芳人さんによる肖像画

 
こちらを描いたのは、菅原芳人さん。仮面ライダーやウルトラマンなど昭和40年男世代お馴染みのヒーローたちを、確かなデッサン力でリアルな存在として描き出すイラストレーターです。特撮ファンなら、バンダイプレミアムで展開されている「菅原芳人計画」ブランドなどでよくご存知かも?

ちなみに、ブルース・リーエンタープライズ社の公認イラストレーター、ブルース・リー財団日本支部の常任理事も務められており、昨年刊行した『昭和40年男』本誌vol.69 の特集『タメ年男の正体』の記事「俺たちが愛した伝説のドラゴン ブルース・リー」にもご登場いただいたので、ご記憶の読者も多いはず。

菅原さんは昔から大瀧さんが憧れの人で、1992年、25歳の時に直接お会いする機会を得たとか。そして、その時に大瀧さんが話してくれたことから、現在の道へと進むにあたっての大きな示唆を得たのだそうです。大瀧さんが亡くなられた後は、前出の「大瀧詠一さんを語る会」にも度々参加されており、今回、栗原さんをはじめ図書館サイドからのオファーに応えて大瀧さんの肖像画を描き、寄贈されたとのこと。

▲こちらは別トリミングバージョンの画像。菅原さんご本人提供!

 
菅原さんは内覧日にはいらっしゃれず、残念ながら直接お話を聞くことはできなかったのですが、今回の肖像画についてメールでコメントをいただきましたので、ご紹介します。

「私は ’80年代の大瀧さんの顔を生で見たことがありません。もちろん様々な資料や、ネット検索でいくつか写真や映像を見ることができますが、その数は ’70年代に比べて極めて少ないので、やはり似ているかどうかはなかなかわからないのです。だから、あくまで私の中のイメージの具現化でした。アルバム『EACH TIME』をリリースして、ナイアガラの第2期も一区切りされ、はっぴいえんど再結成や復刻プロデュースなど、活動が多岐にわたり始めた時期。そんな頃の肖像がコンセプトです」

1984年の『EACH TIME』リリースの後… ということは、まさに ’80年代ど真ん中の頃。ヘッドホンやマイクも描き込まれており、スタジオでの大瀧さん、というイメージでしょうか。渋いムードの中に、ちょっとイタズラっぽさも感じられる表情が、なんとも魅力的ですよね。

菅原さんは、TwitterFacebook でも、今回の図書館リニューアルオープンと肖像画の寄贈について触れています。また、前出の大瀧さんにお会いした時のエピソードも詳しく書かれていますので、興味を持たれた方はぜひ、そちらもチェックを…!
 

■ライブラリー以外にも、館内にはさりげなくナイアガラカラーが

リノベーションによって生まれ変わった瑞穂町図書館。正面玄関の館名表示からしてちょっとレトロモダンでオシャレな雰囲気になっていましたが、館全体にさりげなく大瀧テイストが取り入れられています。 

▲2階バルコニーの手前には『ナイアガラ・トライアングル vol.2』『イーチタイム』『ロングバケーション』のポスターが

 
まず「大瀧詠一さんライブラリー」以外の場所にも、あちこちに大瀧さん関連のポスターが展示されています。前出の「瑞穂町郷土資料館 けやき館」での特別展のポスターもちろんちゃんとあったりして、館内を探索してそれらを見て回るのも楽しそう。

また、館内各所のカラーリングも、大瀧さんの作品のジャケットのイメージ… たとえば『ナイアガラトライアングル VOL.2』のピンクや、『EACH TIME』のグリーンとイエローなどが反映されていて、どこにいてもふんわりと大瀧さんの世界観を感じられるのです。ファンにはきっとたまらない空間のハズ!

そして、図書館を訪れたらぜひ行ってみてほしいのが、2階のバルコニー。ここにはリクライニングチェアまで設置されていて、公立図書館の一角ということを忘れてしまいそうな雰囲気。プールこそありませんが、晴れた日に寝転べばきっと心の中には永井 博さんのイラストのような風景が広がるハズ。“開いた本を顔にのせ、一人ウトウト…” な~んて「君は天然色」そのままの気分が味わえそうですよ。

▲“ロンバケ” のポスターの向こうに見える、バルコニーのリクライニングチェア… お見事な空間構成!
▲バルコニーの風景。奥に見えるのは増築部分で、その外観がこれまたカフェのような趣きなのです

 
バルコニー以外にも、館内の各所に様々なタイプの座り心地のよいソファやイスが配され、本を読みながら飲み物を飲んでもOKな、いわゆる “ブックカフェ” スタイルとなっています。近年、オシャレな公立図書館が各地に誕生していますが、ここまで思い切ったケースは珍しいのでは?

飲み物だけでなくパンの自動販売機も設置されていて小腹を満たすこともでき、給茶機のお茶とコーヒーはなんと無料で飲み放題!? という太っ腹。とにかく多くの方に図書館に来てほしい、親しんでほしい、というウェルカムなマインドに満ちあふれているのです。

大瀧さんのファンならずとも、この図書館の居心地のよさにはきっとハマってしまうハズ。そして、その背景にある大瀧さんの世界にも自然に興味を持ってくれそうな気がします。
 

▲瑞穂町図書館の前館長の宮坂さん (左) と、「大滝詠一さんを語る会」を主宰する瑞穂町在住の栗原 勤さん (右)

 
…といったワケで、今回はなんともステキに生まれ変わった瑞穂町図書館と「大瀧詠一さんライブラリー」の様子をフォトレポートという形にまとめてみました。

が、取材の際には、前出の “聖地” 化のきっかけを作った前館長の宮坂さんや、「大瀧詠一さんを語る会」主宰で熱狂的ファンの栗原さんをはじめ、現在の図書館長・町田さんや、大瀧さんライブラリーご担当の西村さんにも、あれこれとお話を伺っておりまして… 大瀧さんへの想い、今回のリニューアルへの思いなどを、この続編としてお届けできればと思っております。恐れ入りますが、しばしお待ちを…。
 
 
そんなこんなで、これからはますます陽気もよくなっていく季節。大瀧さんのファン、生粋のナイアガラーの方はもちろん、こちらの記事で興味を持たれた方は、さっそく今度のゴールデンウィークにでも… ぜひ瑞穂町図書館を訪れてみてください!
 

 
瑞穂町図書館

〒190-1211
東京都 西多摩郡 瑞穂町 大字石畑1962
042-557-5614
https://library.mizuho.tokyo.jp

開館時間: 9~18時 (木曜日は 9~20時)
休館日 : 月曜日/第3金曜日
      年末年始 (12月29日~1月3日) 特別整理期間 

 
(「昭和トリオ」 “Web担当A” ) ※文中一部敬称略
 


 
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