表紙で振り返る令和3年 ~その六。

一昨年の秋に、エドワード・ヴァン・ヘイレンの訃報が飛び込んだ。ロックギターの歴史の中で、革新的という意味でジミ・ヘンドリックスと肩を並べる唯一のギタリストがエディだというのがの持論だ。もうひとり、肩は並ばないながらジミー・ペイジを含み、3大ロック革命ギタリストと位置づけている。ありがたいことに俺たち世代はエディの洗礼をリアルタイムで受けていて、空前のギターブームだったこともあり、彼に脳天をぶっ飛ばされた諸氏は多かろう。

 

令和3年最後の一冊は彼に表紙を飾っていただき、タイトルは「俺たちに火をつけた 昭和ハードロック/ヘヴィメタル」という見出しをつけた。そして彼の傑作のひとつで僕がヴァン・ヘイレンで一番好きなアルバムの『炎の導火線』という見事なる邦題のバロディで『魂の導火線』とした。うーむ、我ながらバッチリだぜ。そもそもこの特集が着想されたのは、副編の竹部が伊藤政則さんを取材できたことから始まった。そして俺たちはかつて昭和洋楽のヒットパレードのような特集『昭和洋楽』を組んだことがあるから、あの時のノリで作ればきっといい本ができると自信があったから、竹部から伊藤さんの協力でハードロック/ヘヴィメタルの特集を組みたいと聞いた時にひとつ返事で「行こう」となったのである。

 

伊藤さんは発行後に、ご自身のラジオでベタ褒めしてくれた。聴いていて泣けてくるほどで、正座しなければならないほどだった。仲良しのレーベルの方からも賛辞の声が届いたのは、『昭和洋楽』の時同様「これなんだよ」との声だ。巻頭に用語辞典をつけるほどに親切に構成して、当時レコードは買っていないけどラジオやテープで聴き、“まあ嫌いではない” という方々に刺さるように作った。見事に、『昭和40年男』らしい一冊で令和3年を締めくくれたのだった。

 

ではでは、今日も特集冒頭の扉ページで書いたメッセージを掲載させていただく。

 

ある日のこと。
ヤツは得意げな顔で教室にキッスの写真を持ち込んだ。
兄貴の影響であることは間違いないのだが、ジュリーもドリフターズも霞むほどの黒船来襲だった。
「ウチに来ればレコードで聴けるよ」との言葉に乗ったガキどもは、その放課後にメガトン級の爆弾を脳天に落とされたのだった。
…と、俺たち世代の “ファーストハード体験” がキッスだったなんて声はよく聞く。
「もうガキとは呼ばせないぜ」と勘違いが始まった頃、キッス以外にもハードロック/ヘヴィメタルを引っ提げたミュージシャンが次々と現れた。
俺たちは来襲する黒船たちに震えながら、怒涛の攻撃を受け続けたのだ。
そしてやがて、さほど多くの時間を要さずして、俺たちは右手を硬い拳にして突き上げ叫んだ。
「子供騙しのポップスなんかもうまっぴらゴメン。ディスコもテクノもうんざりだ。
俺たちの魂にもっともっと火をつけてくれ」
メラメラと燃えたあの日を取り戻す、ハードでヘヴィな大特集をお届けしよう!!
 

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