さらば、貿易センタービル。

 

浜松町のシンボルであり、大好きな貿易センタービルの解体へのカウントダウンが始まった。明日で屋上展望台の『シーサイドトップ』が閉鎖になるとのことだ。コロナの影響で飲食ができなくなっているから行かなくてもいいかな(高いところではビールが欲しくなる)と思っていたのだが、やっぱり名残惜しいなとつい先日のお昼休みに出かけてきた。うんうん、やっぱり高いところは気分が大きくなっていいね。

 

1970年に竣工して、当時は日本一の高さを誇ったそうだ。40階建のビルはまだまだ活躍できそうだが、やはり当時のビルなんだなと展望台に登って感じられたのは、天井が低いからだろう隣にできたばかりの29階とほとんど高さが変わらなかった。データで見てみるとなんと4メートル劣っているじゃないか。最新のビルは、ワンフロアごとに50年前のビルの約1.4倍の高さを使っているということだ。僕の5つ年下で、もう50年以上浜松町の街を見下ろしてきたことになるビルだ。やはりお役御免の時が来たのだなとちょっぴり感傷的になったりしながら、同じく浜松町が誇るシンボルの東京タワーと見事なまでのビル群を眺めていた。

 

浜松町とは不思議な縁があることを『昭和40年男』のコラボ企画で知った。僕の爺さんはこの地に住み、商売を営んでいたことが判明したのである。さらにこの企画をきっかけに叔父から聞いたところ、当時では珍しかったバイクを乗り回して商売していたそうだ。バイク雑誌を多く発行する我が社だから、バイクを安全にたくさん停められる(マックス時は30台以上)駐車場が必要になって探したところ、ほぼ現在の事務所しかなかった。そこから歩いて1〜2分のところに爺さんが住み、商売を営み、バイクを乗りまわしていたってのは偶然では片付けられない気分だ。しかも弟は貿易センタービルで結婚式を挙げている。僕の事務所探しと同様、爺さんの住居のことなんて知る由もなしだった。なんだか兄弟2人で呼ばれた気がしている。

 

3月に予定されているニュー貿易センターの開業後に、閉鎖となるそうだ。もう本当に時間がない。やはり大好きだった昭和な地下食堂街なのだが、古くから入っていた店がコロナの影響だろう、ビル閉鎖を待たずに次々と閉めてしまった。が、どっこい残っている昭和な味噌ラーメンがある。本格的なカレーとナンをラインナップする謎の居酒屋もまだ健在だから、明日の日曜日は展望台に登って地下食堂街を楽しんではいかがだろう。「新日本三大夜景・夜景100選」に認定されているそうだから、営業最後の夜を楽しむのもオツかもしれないですな。いってらっしゃ〜い!!

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