ガンダーラが聴こえる。

そこ~にゆぅけば~で始まる名曲「ガンダーラ」を初めて聴いたのは、中1の秋のことだった。お美しい夏目雅子さんが三蔵法師になった傑作『西遊記』のエンディングソングだった。第1回からほぼすべて見た僕で、番組自体のスケール感の大きさに加えて、大陸っぽいメロディに感じた「ガンダーラ」を初めて聴いた夜の衝撃は忘れられない。大ヒットすることを強く予感して、翌日の教室でそう予言した。これは見事に当たったことになり、ちょっと気分がよかったから余計に強く記憶している。

 

あの年は邦楽の大きな転換点だったように思う。次々とROCKなミュージシャンたちが登場した。渡 哲也さんを表紙にした最新号で取り上げた昭和53年のことだった。この記事でも取り上げている、Charが「闘牛士」をヒットさせた年だ。永ちゃんの「時間よ止まれ」で僕はその存在を知った。短パンで大騒ぎしたサザンを『ザ・ベストテン』で目撃したのもこの年だ。うーむ、つい昨日のことのようだがもう42年も経つのだ。

 

この頃、洋楽にも目覚めたから僕自身にとっても大きな音楽イヤーである。初めて惚れたのはアバだった。そこからドンドン掘り下げていき、黒っぽい音楽まで行き着くのに4年の月日を要した。なんとも激しく動いたことになるが、あの4年の知らない音楽への追求は褒めてやりたいくらいの努力だった。ギターをプレイするようになったことも大きく関与していて、弾きたいと思うことで聴き漁った節もある。名ギタリストとの情報を得るとアンテナを張る。当時はラジオのエアチェックで音を手に入れたり、友人がレコードを持っていないか聞き歩く。レコードは高額だからよっぽどでなけりゃ手が出ず、レンタルレコード店は近所になかった。現代はなんと恵まれているのだろうかと思う反面、便利でないことの恩恵も大きかった。様々な場面で考えさせられる、寄り道である。僕がこう呼んでいるのは、例えば新聞を読むこともそうだ。興味関心のない記事も目に飛び込んできて、読んでみれば役に立つことが実に多い。本を買いに書店に行けば、棚を眺めて自分に役立つ本が見つかったりする。音楽もそうで、ラジオからはたくさんのミュージシャンの音が届けられたし、友人に意外なレコードを貸してもらいハマったりと不便な中で自分を豊かにしてくれた。だから寄り道である。あっ、今日のつぶやきも寄り道だ(笑)。

 

で、なんで今日こんなことをつぶやいているのだろう。そう、次号の作業が大詰めだからなのさっ。フッフッフ、また傑作が生まれることになる。ぎゃー、自画自賛が得意なのねー。

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