A LONG VACATIONの表紙のおもひで。

6年前の今頃、僕はこの号を懸命になって作っていた。これまで何百(千何百?)もの本を作ってきた中で、この表紙は思い出深く、またよくできた表紙のひとつに入れてある。大瀧詠一さんの傑作、いやいや、日本の傑作『A LONG VACATION』のパロディである。この特集では大瀧さんのインタビューは取れなかったが、このアルバムをしっかりと取り上げて作りこんだ。全体のまとまりもよくできた1冊だ。

 

 

例年通り、年末進行に苦しめられながらクリスマスの喧騒の中締め切りを乗り越えて、翌年2014年1月11日発売号の入稿作業を全て終えて冬休みに入った。その大晦日である。前日までの仕事から解放されて、仕事抜きを楽しんでいたその時にスタッフから連絡が入った。大瀧さんが亡くなったと。ここからが地獄だった。よりによってそのタイミングで、こんななんちゃってな雑誌を世に出していいものだろうかと悩みに悩んだお正月だった。大好きな紅白歌合戦を見ていても集中できず、常に年明けの対応を考え込んでしまう。お正月のために生きている自分史上最悪のお正月だった。

 

 

あけて4日、仕事始めもそこそこに対応の検討を各所と詰めた。発売を止めるか否かだ。どことどんな話をしたかは書けないが、ともかく停止する必要はないという結論が導き出せたのは翌5日のことだった。やっとお正月が来た時には、箱根駅伝もガクトさんの大活躍も終わっていたから、今思い返してもやはり最悪のお正月だった。

 

 

むかえた発売日、市場はしっかりと受け止めてくれた。むしろ追悼本と評価してくださる方が圧倒的に多く、批判めいた声はひとつも聞かなかった。と、そんな1冊から多くの記事をリメイクして、月曜日発売の総集編『俺たちを背伸びさせた洋楽&シティポップ大全』に盛り込んだ。って、PRかよっ(笑)。

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