世界初の缶コーヒー「UCC ミルクコーヒー」 茶色・白色・赤色の3色の組み合わせが 「色彩のみからなる商標」に!【UCC上島珈琲】

1969年に発売された世界で初めての缶コーヒーが、日本で作られたUCC上島珈琲株式会社の『UCC ミルクコーヒー』だったというのはご存じですか?発売当時から、変わらぬカラーデザインのパッケージで、この色の組み合わせだけで、あの缶コーヒーを思い浮かべてしまうほど、昭和40年男世代には刷り込まれているかもしれませんね。

UCCミルクコーヒー3色の色彩

『UCC ミルクコーヒー』に誕生当初から使用されている、この茶色・白色・赤色の3色が、2019年11月29日に特許庁により「色彩のみからなる商標」として登録されました。特許庁による登録は食品業界では初、国内で8番目とのこと。なじみ深いところでは、トンボ鉛筆の消しゴム「MONO」の青色・白色・黒色も同じく「色彩のみからなる商標」に登録されているもののひとつです。こうしたロングセラー商品はその色彩だけで製品が目に浮かんできますが、それこそがまさにロングセラーの所以であり、製品への信頼の高さの証なのではないでしょうか。

1969年にUCC創業者、上島忠雄(1910~1993)の「いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」という創業精神のもとに、開発された世界初の缶コーヒーが『UCC ミルクコーヒー』。発売翌年の1970年に大阪で開催された日本万国博覧会(大阪万博)での爆発的ヒットをきっかけに、子どもから大人まで世代を超えた幅広いお客様にご愛飲いただき、三色缶の愛称で親しまれてきました。そして、2019年には認定期間50年(1969~2019年)で“缶コーヒーの最長寿ブランド(Longest-selling ready-to-drink canned coffee brand – current)”として、ギネス世界記録(TM)に認定されました。缶のデザインには、発売当初から一貫して茶色・白色・赤色の3色を使用しており、今回の登録は、これらの色の組み合わせが『UCC ミルクコーヒー』を想起させる高い識別性を有すると認められた結果と言えるでしょう。

発売中の10代目パッケージ

下は歴代のパーッケージですが、こうして並べてみても、一貫してその変わらないカラーでデザインされています。現在発売中のものがいちばんシンプルな感じですが、昭和40年男世代の記憶にいちばん残っているのはどれでしょうか。昨今、「甘くない」缶コーヒーが主流のようですが、ちょっと甘めの『UCC ミルクコーヒー』は時々無性に飲みたくなったりします。

右から、初代~10代目の歴代パッケージ

以下、リリースより

【登録された「色彩のみからなる商標」の概要】
・登録番号    :第6201646号
・商標権者    :ユーシーシー上島珈琲株式会社(登記簿上の表記)
・出願日     :2015年5月21日
・登録日     :2019年11月29日
・商標の詳細な説明:色彩の組み合わせは、茶色(PANTONE:471)、
          白色(RGBの組み合わせ:R255,G255,B255)、
          赤色(PANTONE:485 2X)であり、配色は、上から順に
          茶色が商標の25パーセント、白色30パーセント、
          赤色45パーセント
          (製品画像は販売中の10代目パッケージ)
・指定商品    :第29類 缶入りのコーヒー入り乳飲料
          第30類 缶入りミルクコーヒー飲料

3色の色彩は、茶色は「焙煎したコーヒー豆」白色は「コーヒーの花」赤色は「熟したコーヒーの実」を表現しています。(製品画像は販売中の10代目パッケージ)

≪参考資料≫

『UCC ミルクコーヒー』商品誕生について

世界初の缶コーヒーを開発したのはUCC創業者の上島忠雄。喫茶店でコーヒーを飲むスタイルが一般的だった時代から、コーヒーをいつでもどこでも手軽に飲めるものにしたい、という強い思いを抱いていました。
ある時、上島は駅の売店で冷蔵の瓶入りのコーヒー牛乳を購入するも、一口飲んだ時に発車ベルが鳴り、当時瓶は回収されていたため、大半を飲み残して瓶を返却せざるを得ませんでした。
この時の「もったいない」という思いが、常温長期保存が可能で、車内などにも持ち運びができる“缶入り”のアイデアを閃かせ、自らが中心となり開発を開始しました。
ところが、製品化には多くの困難を伴い、コーヒーとミルクの分離、高熱殺菌による風味の変化など、専門家の協力を得ながら試行錯誤を繰り返しました。
特に、缶に含まれる鉄イオンとコーヒー成分のタンニンが結合し、コーヒーが真っ黒に変色するという難問には、製缶会社との取り組みにより、缶の内側に特殊コーティングをする技術を開発しました。
いつでもどこでも手軽に飲める新しい飲用スタイルや安定的な品質保持にこだわり、缶にコーヒーを詰めただけではなく、流通商品としての価値を生み出した結果、缶コーヒーが誕生しました。
UCCが世界初の缶コーヒー『UCCコーヒーミルク入り(当時の商品名)』を発売したのは、1969年4月。当初なかなか売上は伸びなかったものの、翌1970年3月から大阪で開催された「日本万国博覧会」を機に、来場した多くの人の目にとまり、その後全国に広がりました。時代とともに変化する嗜好に合わせてリニューアルし、2019年に10代目の発売に至りました。

▼『UCC ミルクコーヒー』ブランドサイト https://www.ucc.co.jp/milk-coffee/

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