今年の漢字は「忘」か「失」かな?

「今日も楽しかったなあ」とニヤニヤしながら『浅草秘密基地』の帰り道で携帯が鳴った。舞台となっている浅草のショットバー『FIGARO』のマスターからで出ると「手帳を忘れてますよ」とのこと。「うぎゃー、でももう電車が最終なんで戻れません。明日どっかのタイミングで取りに行きます」と伝えて家路に着いた。

 

翌日は起床からずっとソワソワしっぱなしだ。ただこの日は『昭和50年男』の締め切り日だから、予定は入れていないはずだ。終日社内作業にしてあるはずだと言い聞かせるも、なんせ最近めっきり物覚えが悪くなった。そもそも、朝に手帳を覗き込まないのは新聞を読まないのと同じくらい気持ちが悪い。スケジュール管理も新聞もスマホでスマートに決めている現代人から見たらおっさん丸出しに取られるだろうが、おっさんなんだから仕方ない。

 

今年は忘れ物やそのせいで無くしてしまったモノがものすごく多い。飲み屋はもちろん、出張先のホテルや訪問先などあり得ないほどの忘れ物をして、紛失してきた。大事に至らないようにしないとイカンといつも思っているものの、やはりやっちまうのだ。今年の僕の漢字は圧倒的に「忘」か「失」だろう。明日からの出張も気をつけよう。

 

本当に予定を入れていないか、不安を目一杯抱えながら会社へ向かっているときにマスターから連絡が入り、持ってきてくださると言う。それはあまりにも悪いから、だったらせめて『東京麻布秘密基地』の舞台になっている1つ上の兄貴がオーナーシェフを務める、レストラン『セレニータ』でランチにしようと提案した。麻布の一等地にある陽光降り注ぐオッサレーな店内で、向き合い談笑しながらパスタを頬張るおっさん2人。手帳を忘れたということと、知り合いのレストランということで実現したが、まずあり得ないシーンだ。かれこれ30年近い付き合いになる俺たちは、初めてランチをご一緒した。いつも会うのは夜の2人だが、酒が入らなくてもお互いテンションが変わらないバカ話でひたすら突っ走るのは我ながら驚愕だった。

 

もちろんゴチさせていただいたが、貴重な時間と美味い料理の対価としてはコスパは十分すぎるランチタイムだった。こんな結果がついてくる忘れ物だったら悪くないな。

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1件のコメント

  1. いやぁ~、貴重なツーショットに遭遇させていただきました!!
    ありがとうございました。
    それにしても2人とも、雲一つない青空と 燦々と降り注ぐ日差しが似合わなすぎ…

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