松田優作さんといえば『探偵物語』。

『昭和40年男』は巻頭特集だけじゃない。多くの連載企画はバラエティに富み、さらに連載特集として昭和の1年を切り抜いてその中から俺たちに刺激を与えたネタをいくつか引っ張り出して深掘りする“夢、あふれていた俺たちの時代”というエースもいる。

 

今回の“夢、あふれていた俺たちの時代”がピックアップしたのは昭和54年だ。俺たちが中2を迎えた年で、少しずつ大人の階段を上りながら悩みが尽きなかった頃だろう。そんな年にスカッとさせてくれたのがベスパに乗る松田優作さんだった。何もかもがかっこよかった。そんな男は見たことがないよというくらい、みんなが夢中になった。でも脳がガキだった僕はリアルタイムで『探偵物語』のダンディズムに触れていなかったのだ、やれやれ。後に再放送でぞっこんとなり、リアルタイムを後悔したバカ者である。

 

さて今回の記事は貴重な4ページになったぞ。企画段階から参加して、脚本を担当した1人として活躍なさった丸山昇一さんの証言を得ることができたのである。工藤ちゃんファン必見のインタビューになっている。

 

ネタバレ厳禁なんでほんの一部だけ名台詞を紹介する。「テレビ番組というより毎週放送する映画、プログラムピクチャー作っているような現場の熱気、勢いがあった〜」とこのあと続く。傑作が生まれる背景に必ず熱があり、そのエピソードの数々を聞くたびに熱くなれる。手前味噌だがこれらのページで人生の先輩たちから多くのことを学ぶ。それは仕事の技やテクニックでない。現場に込める熱であり、それに導かれるように結果へと繋がっていく仕事っぷりだ。俺には関係ないことと言うなかれ。どんな世界にいようが熱は込められる。地域貢献でもいいし、ボランティアでもいい。熱を込めてやっちまえば男の仕事なのさと、そんな気持ちになれる記事をぜひ読み込んでほしい。

 

 

4件のコメント

  1. 『探偵物語』を「傑作ハードボイルド」と評するのはどうでしょう。ハードボイルドの要件とは主人公が私立探偵であることではないと思います。むしろ重要なのは文体でしょう。そして、テレビドラマにも文体はあると捉えるならば、『探偵物語』は決してハードボイルドではなかった。ハードボイルドと呼ぶにはあまりにも夾雑物がありすぎた。松田優作は第12話「誘拐」においてカメラに向って「日本のハードボイルドの夜明けはいつ来るんでしょうかね、小鷹信光さん」と問いかけるという遊びを披露していますが、これ自体が全然ハードボイルドじゃない。まあ、当人としても自分がやっているのはハードボイルドではないという自覚があったんでしょう。そんなことを考えても、『探偵物語』を「傑作ハードボイルド」と評することには違和感を覚えます。むしろ鶴橋康夫演出のドラマや山田太一脚本のドラマの中にハードボイルドなものがあった。『早春スケッチブック』なんて、一切無駄なもののない、本当にハードボイルドなドラマだった。主人公が私立探偵であるかどうかにこだわっているうちは「ハードボイルドの夜明け」はいつまでたってもやって来ないでしょう。

    • 最後の部分でちょっとピントを外したので書き直し。『探偵物語』をハードボイルドという文脈において捉えるなら「メタ・ハードボイルド」ということになるでしょう。松田優作としては、むしろああいうかたちでしかやりようがなかった、ということかもしれません。そして、多分、小鷹さんもそういうことで納得していたんじゃないでしょうか。「日本のハードボイルドの夜明けはいつ来るんでしょうかね、小鷹信光さん」という台詞は、小鷹さんを偲ぶ会において遺影とともに祭壇に掲げられています。ここは、2人の間にはハードボイルドに対する共通の認識があった――、そう受け止めるべきかと。

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  3. 本放送は中学二年の時だったかと思いますが、それよりも優作さんが亡くなられたあと日テレで夜中に放映してたナイトスクリーンの探偵物語が印象に残ってます。それこそカップメンをすすりながら毎週見てました。2000年頃だったか、勤務場所が大手町だったのでお昼にちょっと足を延ばして淡路町の工藤探偵事務所跡地に通ってました。オープニングで写ってるオレンジ色のお店は今もある吉野家さんですね。同和病院はなくなってましたが、ドラマにも出てきた松栄亭で洋風かき揚げを食しました。それにしても、あんなハードボイルドは二度と出てこないですよね。。。

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