ハムカツ今昔。

小学生のカワイイ僕。土曜半ドンの授業を終えると、カワイイはずの少年はハングリーウルフと化して家に飛び込む。給食も楽しみだが、半ドンの昼メシはなにかと変化に富んでいてこれまた楽しみにしていた。そのメニューの1つがメンコロである。すでにキャベツを千切りにして待っているお袋から、「メンコロ買っといで」と金を渡されるのだ。「豚カツはダメ?」と甘えてみるが簡単に却下される。わかっている、わかっているが豚カツをいつも夢見る小学生だった。大人になってよかったと思うのは、豚カツを食いたい時に食えることだ(笑)。

近所にある肉屋へ駆け込むと、家族4人分のメンチとコロッケをオーダーする。待つことほんの数分で熱々を持ち帰るのである。メンチより少しだけ安く、コロッケよりちよっとだけ高い気になる存在がハムカツだった。細かい話だが、コロッケをハムカツに昇格させることは許されないが、メンチをハムカツに降格させることは許される。シビアすぎる予算設定だ。ご飯を少しでも多くかっ込みたいガキにとって、うっすーいハムカツはメンチよりパフォーマンスが劣るからその選択はよほどスイッチが入ったときにだけ採用された。そしてやはりメンチより低いパフォーマンスに後悔するのだった。

最近ハムカツを出す居酒屋が増えているように思う。立ち飲み屋やせんべろブームなどによるものなのかもしれないが、古き良き居酒屋の定番メニューのようになっている。酒が呑めるようになった頃とちょうど重なる居酒屋ブーム時は、決してメジャーな存在ではなかった。そして最近のハムカツは厚いのも特徴だ。俺たちがガキの頃はうっすーいハムをたっぷりの衣で揚げているのがあたり前田のクラッカーだった。こんな贅沢していいのかと、幸せな気分を味える昨今のハムカツである。

メンチとハムカツに悩みぬき、幾度となく後悔した少年は長い時を経て分厚いので大満足の夜を過ごしている。昭和メニューよ永遠あれ!!

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8件のコメント

  1. 土曜のお昼と言えば、近所のお肉屋さんで揚げたてのコロッケを買ってもらって (当然じゃがいもでしたがこれが最高に旨かった)、「笑って笑って60分」やそのあとの坂口良子さんが出てた「家なき子」を見ながら、むしゃむしゃ食べておりました。中学になると、見てる番組が「お笑いスター誕生」に変わりましたが、ハムカツに昇格することなく、コロッケ一筋でした。当時はソースをかけなくてもおいしかった。。。(すいません。話がハムカツからそれました。)

    • まったくシンクロですね。土曜日半ドンの肉屋の揚げ物。メンチがついてた僕は幸せ者ですね(笑)。

  2. ハムカツとの出会いは、中学の売店の、ハムカツサンドからでしょうか。

    それはそうと、勤め先の勝どき には、薄いレバーを揚げたレバーカツならぬレバーフライがあるんす、
    しかも、蕎麦屋に(^^;)
    今度、ゼヒ!

    • 高校時代の売店で、ハムカツサンドが大人気でした。
      蕎麦屋、レバーカツ、興味津々です。

  3. 赤いフチでペラペラのハムを、厚い衣で揚げたハムカツ、現役ですよ(90円)
    ご時勢でハムステーキカツなる物は170円、でも私が買うのはペラペラのほうです。

    • 僕も肉屋で見かけるとついつい買ってしまいます。

  4. こんにちは、少年時代のハムカツの厚さは確かにペラペラの薄いやつでした。
    1まい50円、四角のプレスハムで赤いフチだったかと思います。
    最近のハムカツはお値段も上がって、ハムの厚さも4倍くらいありそうです。
    なんて、贅沢なんだ-

    • ありがとうございます。赤いフチでした。同じ記憶を楽しめる、俺たち昭和ピープルですね。

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