おっさん大好きミートソース。

僕らがハイティーンの頃、突如(僕はそう感じた)スパゲティ革命が起きた。専門店があちこちに出現して、和風スパを名乗って明太子や納豆を絡ませたり、洋物ではホワイトソースやトマトソースなんてのもお目見えした。100種類以上のラインナップを誇り、どれにしようかと迷う女の子を前にして僕はミートソースを貫いた。

渋谷にあったポイント・テンという店が当時の彼女の好みで、入ってはミートソースを頼む僕に若干不満気味だった。「違うのも食べてみたら」と保守的な僕をまるで非難するかのようだ。「納豆やら明太子はご飯じゃ。ホワイトソースはシチューじゃ。トマトソースだったらミートソースでいいじゃん」と心が叫ぶが、ミートソースはナウでヤングでないことをなんとなく感じていたから声には出さなかった。と、ミートソースを愛し続けた少年はやがておっさんになり自分で作るようになった。超我流ながら自らの愛情と工夫を注ぎ込んだソースは幸せな気持ちになれる。僕は毎年大晦日よりこいつを仕込んで元旦にいただくのだ。平成29〜30年年越しバージョンのおっさんレシピを紹介するから、この週末にトライしてみてはいかがだろう。僕はでっかい寸胴を持っているからこんな量になるけれど、自分の家の一番でっかい鍋に合わせて量を調整すればよかろう。

材料
ひき肉(牛豚ブレンド)2.2㎏。トマトホール缶15缶。赤ワイン1本。ニンニク5カケ。玉ねぎ大サイズ10個。セロリ2本。きのこ適当(今回はえのき・エリンギ1パックずつ、しいたけ3個)。仕上げのマッシュルーム2パック。スパイス適当(今回はローリエ5枚、バジル、オレガノ、ナツメグ)。

いやいや、すげー量ですな。でも年に1回大量に煮込むのは楽しい作業なのだ。出来上がりは、ご近所や実家で配ったりジップロックで冷凍保存する。では作り方だ。ひたすらみじん切りしてニンニク以外は一緒にしてよし。トマトホールは潰しておく。セロリは葉の部分は香り付けに使うから捨てないぞ。

フライパン(うちは肉が多くて特大中華鍋)でひき肉を炒める。弱めの中火でじっくりと肉の水分を飛ばしてポロポロにする。肉の旨みを濃くしているイメージで今回は40分ほどじっくりとやった。この乾いた肉に赤ワイン1本をドーンと入れて吸わせるのも僕が狙っているイメージだ。

煮込み用の鍋にオリーブオイルをひいてニンニクを入れて弱火でじっくり香りを出す。こがさないように気をつけて香りがよ〜く出たなというところでみじん切り野菜を投入。火が通ってしんなりしたら肉と合体して、スパイスとセロリの葉、潰したトマトホールを加えてグツグツ煮込む。こんな量はいくらでっかい鍋でも入らないから、煮詰まってきたらトマトを加えるのを繰り返す。セロリは溶けるから2時間くらいで取り出し、あとはこげないようにたまにかき回しながら煮詰めていくだけだ。『昭和40年男』の最新号を読みながら(出たっ、PR)、いい香りに包まれる優雅な時間ですな。最高の週末間違いなし。

さあ、仕上げだ。マッシュルームのスライスを加えて、味見しながら塩を加える。旨みたっぷりだから余計なことはせず、塩のみの勝負が潔い。手間ひまかけて、愛情込めて出来上がったソースは最高だよ。さあ、明日は朝イチでスーパーへと走れ。

  

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