男の選択に幸あれ!!

IMG_5251線路走ってたレール失って探しながら進んで振り返れ色んなものこぼれ落ちて、今まで進んで来たそばに落ちてるの知った。 改めて同じ場所に戻ってきて「随分違う景色だな」と。 なにも変わらない景色見て思う。

僕から見たら息子のようにも弟のようにも思え、何よりかけがえのない友であるバイクレーサー、渡辺一樹選手が3週間前の「鈴鹿8耐」を走り終えてSNSで冒頭を語っていた。去年はカワサキの看板を背負って鈴鹿の8時間を闘い、全日本ロードレースでもエースとして奮闘していたが、今年は極めて難しいところに自分をシフトさせたのだ。600ccクラスで戦う「ワールド・スーパー・スポーツ」というカテゴリーの世界選手権に参戦中である。チームの環境は去年までの国内トップチームのそれとはガラリ変わった。『鈴鹿8耐』は彼自身がカワサキと契約する前に世話になっていたチームからのオファーを受けての参戦だった。

彼とはイベントの仕事で3年にわたり、全国各地で幾度となくトークショーを展開した。お客さんに喜んでもらいたいから、ズケズケと彼の胸の内側に入っていく。えぐりこむように打つべしと、丹下会長からもらったハガキのごとく日々えぐりこんだ。イベントのバックヤードではトークショーには直接役に立たないようなこともガンガン聞く。若い彼は世界で戦いたい意思がとにかく強かった。その夢に向かって自ら線路から外れた部分もあったと僕は思っているが、冒頭の言葉には苦悩もあふれている。

先日の「鈴鹿8耐」の終了後約1時間が過ぎた頃、つなぎから着替えた彼とあらためて握手を交わし「よくやったな」と声をかけた。体制が万全というチームでなく、マシントラブルやパートナーの予選での転倒、さらに決勝での転倒といろんなことが重なっての完走を僕は讃えた。だが、去年2位でチェッカーを受けた男には屈辱的な順位だったのだろう。握手したまま「いやあ、厳しかったです」と言った表情が忘れられない。そしてその後に冒頭の言葉が発せられたのだ。

明日がどんな明日になるか、今の苦しさがいい思い出になるかどうかは誰にもわからん。彼だけに限らず、誰だってみんな人生の選択を強いられ切り開いてゆく。渡辺選手はその選択を下し、もがき苦しんでいる真っ只中にいる。昨日のレースは予選24位からスタートして、決勝は20位という結果だったようだ。今年はともかく世界で戦う厳しさとトップチームでないハングリーさを知ることが目的だと勝手ながら思っている。が、若いといってももうすぐ27歳だ。22歳で知り合った彼が、今年を糧に来年にどうつなげるか。ただ見守るしかない力不足のおっさんなのが悔しい。
 

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2件のコメント

  1. クラウドファンディングでチョットだけ応援しました(^。^;)
    もちろん鈴鹿でも応援しまくりです。
    WSS頑張って欲しいっす!

    • 僕らができるのは小さな応援ですけど、きっと力になるはずです。信じて応援を続けましょう。

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