夏の少年。

他の世代がどうだか知らんが、僕ら世代は夏を特別な季節だとする者が多い。関東人だとなんてったって新島伝説があげられる。若い男女がひと夏の経験を求めてこぞって知的冒険の旅に出た。金のない僕には無縁だったが、満員のフェリーですでにロマンスが始まったらしい。そして夕暮れ時から夜の島にはロマンスがノントップの超特急だったと。その恩恵には恵まれなくとも、多感な時代に夏は特別な感覚をもたらしてくれる遊びにあふれていた。女の子はみんな小麦色へと変わっていき笑顔の魅力がグーンと増す。コパトーンとシーブリースの香りをかけばいつでもハイティーンサマーにタイムスリップできるのが俺たち世代だ。

そんな同世代だから、僕だけでなく今年の夏を憂いているものが多い。暑いとそれはそれで文句を言うくせに、報道でも騒がれている東京は7月の猛暑はどこへ行ったやら冷夏である。これを受けて「暗くなるのが早くなってさあ」「海に行ってないんだよ」「花火が中止になっちまった」などなど、ぼやく声ばかりが同世代から集まる。まったくわがままで元気な奴らだ。

f1ce53145c043de1f8b13fd0e2feed9c明日からは秋のような日が続いた関東にも夏の太陽が戻ってくるらしい。暦は夏休みの宿題のフィニッシュが気になる頃だが、僕らに宿題はない。だったら昭和40年男は明日より夏を目一杯謳歌しようと宣言す。この週末は長い出張でそれを利用して『広島秘密基地(定員あとわずか、急げ)』を開催するから、夏の自由研究にも取り組んでこようと思う。今回はキチンと訪れたことがない呉を回ってみる。ラッキーなことに、秘密基地参加者で呉出身の方がアテンドを引き受けてくれたのだ。ご存知、大和が世界の海へと旅立った街である。

枯れることなく夏男でいたい。人生を季節で例えるなら僕らは秋本番ということになるのだろうが、永遠の夏男でいたいとするバカ者が僕ら世代には多い気がする。夏休みだけが夏を満喫できる時間じゃない。明日よりのラストスパートをめいっぱい楽しもうじゃないか。寂しいのは、小麦色のナンシーが街にいないことだな(笑)。

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3件のコメント

  1. ノスタルジックなサンカレーとますいのトンカツ定食
    オススメです。

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