ザ・バンドで巣篭もり!!

右がデビューアルバムで、この絵はボブ・ディランの書き下ろしだ。左下が僕を散々酔わせ続けてきた『南十字星』

4夜連続でお届けしてきた、コロナのバカヤローゴールデンウィーク巣篭もり企画だが今宵でおしまいにする。これまでのアルバムを聴いてくださった方がいたらうれしいのだがどうかなあ。俺たち世代にとっては少々縁遠いが、ミュージックシーンにおいては重要だったり、本国では半端ない活躍だったりという、なんとなく訳ありなセレクトをしてきた。今日ご紹介するのは、このつぶやきではみなさんに何度も押し込んでいるザ・バンドである。ヤレヤレと感じたそこのあなた、しつこい巳年なのだから仕方あるまい。でもね、アメリカの音楽の歴史に極めて重要な存在で、エリック・クラプトンに加入したいと言わしめたほどのスーパーバンドなのだ。僕にとっては酒をこれほどまでうまくしてくれるヤツらはそうそういない。女は寄り付けないぜとでも言いたげなサウンドは、おっさんにピタリと寄り添ってくれるからぜひ聴いていただきたい。

 

彼らに狂っている同世代が少なすぎると常々思っている。仕方なしなのは、デビューが1968年で70年代半ばまでが活躍期間だから、リアルタイムで聴いていた同世代はほとんどいないはずだ。でもね、ビートルズはもっと前に解散しているしブツブツ…。俺たち世代特有の洋楽後追いにおいても、誰も彼もがという存在でない。僕自身もきちんと聴き始めたのは高校3年生の頃で、バイト先にいた音楽ジャンキーの3人の先輩が強く押し込んでくれたことによる。83年の再結成来日公演の際は、その先輩の1人がチケットを取って連れて行ってくれた。ファイナルコンサートのドキュメント映画『ザ・ラスト・ワルツ』の上映情報をつかんでは誘ってくれたりと、少し上の世代に絶大なのかは定かでないが、とにかく3人もの兄貴姉貴が自信を持ってレコメンドしてくれたのだ。

 

アメリカの伝統的な音楽の要素を詰め込んでミキサーにかけて、新しい音楽をクリエイトしているのが彼らの魅力だ。圧倒的な演奏力は、ファーストアルバムリリース以前の8年間に渡るドサ回りや、ボブ・ディランなどビッグネームシンガーのバックバンドとして鍛えられた。満を持してリリースした68年のデビューアルバム以降、メジャーシーンで残したアルバムたちはどれも宝石箱のようである。デビューの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』とセカンドの『ザ・バンド』を最高傑作と評するファンは多いが、僕は事実上のラストアルバムとなった『南十字星』を同世代諸氏にレコメンドする。濃い酒が似合う。男のダンディズムを音楽と酒で味わえる最高の1枚で、じっくりと楽しんだ後はピカピカのキザになれる。と、そんな世界観の1枚だ。

 

くどいようだがやはり不思議でならないのは、同世代のジャンキーにあまり出会わないことだ。高3の時におそらく15人程度のバイトのうち、先輩3人が重度のジャンキーだったことが奇跡だったのだろうか? 彼らに感謝しつつ、同世代諸氏に4日間の短期連載の締めで自信を持って送り出す。巣篭もりにピッタリだし、まだ先ながら晩秋の夜長、センチメンタルなロマンチストになりたい気分の時には『南十字星』は重宝しまっせ。ではでは、お付き合いありがとうございました。おしまい!!

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4件のコメント

  1. 昔は1stと2ndばかり聴いてましたが、今は5枚目のカヴァーアルバム「ムーンドッグ・マチネー」をよく聴きますね。彼らが影響を受けた好きな曲、やっぱり楽しさが伝わってきますし。

    • yoshimi mioさんコメントありがとうございます。
      楽しいアルバムですよね。僕も大好きでリラックスしたいときに聴きます。まあ結局、南十字星までのアルバムはどれもこれもそれぞれ魅力的ですよね。

  2. 南十字星最高です!高一の時何もわからず嗅覚だけを頼りに買ったLP。ザ バンドの真骨頂!

    • タバ老人さん、コメントありがとうございます。
      あの傑作を嗅覚でとは、素晴らしい‼︎

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