冷やしたぬきに学ぶおっさん!!

美しい、うっとりしてしまうこれは僕がこよくなく愛する老舗そば屋の『布屋更科』で供される冷やしたぬきだ。このサイトを愛してくださっている皆様には、またかと思われるかもしれないほど、ここをネタにすることは多い。だってね、江戸時代から続いていて、そばマンガの『そばもん ニッポンそば行脚』にも登場するほどの名店にも関わらず、まるで普通の街そば屋のように食わせてくれる、気取らないそば屋だ。さすがにお値段は高めではあるが、あくまで若干の範疇で、この冷やしたぬきで850円である。

 

美しさだけでもコスパは高く思える。細かな揚げ玉や干し椎茸の炊き具合、錦糸卵とキュウリの均一された刻みっぷりとか、これは完全に冷やしたぬきを超えている。そしてここは雨の日と月曜日は150円の大盛りが無料になるから、余計に満足度が上がるのだ。

 

こうした行き届いた仕事は、求めていれば意外と多くある。だがそれを探しだす時間だったり、お値段を考えてしまったりと何かと流されがちだ。結果として、世の中の雑な仕事を増やしてしまう。雑でもいいものはいいと言い切れる仕事はいいが、見てくれだけをよくしているような一皿だったりに出くわすと嫌気がさす。

 

東京では新しいビルが続々オープンしている。そこに入る飲食店には、前述したような一皿にうんざりさせられることがじつに多い。これは残念ながら、仕方なしな部分も否めない。丁寧とか心とか言っちゃってると、今の日本では無駄なコストになることが多い。寿司職人を半年で育てちゃう昨今だもの、そりゃあそうだ。新しいビルは総じて家賃が高いから入れるところは極々限られていて、その家賃を稼ぐための効率が皿からにじみ出る。そんな構造はわかっちゃいるが、こうまで多く出くわすとこの冷やしたぬきの努力がやはり美しく見えてきて、清々しい気分になれるのだ。自分の仕事も、この丁寧さを学ばなければと思いながら店から出るのだから、やはりコスパは高い!!

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