あたまの大盛りに肩を落とした昭和40年男。

少々以前の話になる。「ゴールデンウィーク10連休なんて、お上ってのは中小企業労働者のことをま〜ったくわかってねえぜ」とやさぐれながら働いていた。昼飯を食うにも休んでいるところが多く、さらにビジネス街のコンビニは品が薄くなり、自然と吉野家通いになる。

 

連休中は電話が鳴らずじっくりと仕事に取り組めてそれはそれでいい。出社している者も少なく、静かなオフィスは書いたり考えたりする仕事が普段の何割り増しかのスピードで進んでいく。それだけ集中しているから消耗もする。ヘトヘトになって駆け込んだ吉野家で「よーしご褒美だ」とあたまの大盛りをオーダーした。この時点では、過去に1度オーダーしたことを忘れていたのだった。

 

僕の吉野家ずきは有名で(!?)、それは中島みゆきさんの名曲『狼になりたい』に起因する。ファーストフード店でありながら、みゆきさんが取り上げる“何か”が吉野家にはあるのだ。それは、他のチェーン店にはないワビサビなのだと勝手に思っていて、自販機を導入しない姿勢なんかがそこに繋がっている。かつては深夜もビールが呑めたから、若かりし日は1人で過ごすことが多かった。そんな時いつも『狼になりたい』が自分の中でジングルするのだ。

オーダーしてから待つことわずかで写真の丼が出てきた。「へっ」と心が叫ぶ。「並とどこが違うんだ」と、声に出そうなほど心の叫びは続く。そして最近、性能低下が著しい脳でシナプスが繋がった。かつてこのメニューをオーダーした時に、同じように心が叫んだことをハッキリと思い出したのである。値段差100円。増量されたイメージは30円といったところだろうか。ご飯が見えちゃっているのにもテンションが下がり、なんだかと〜ってもみじめな気持ちになった。人通りのほとんどないオフィス街で、肩を落とした悲哀の昭和40年男が1人、山と積まれた仕事が待っているオフィスへとトボトボと戻ったとさ。

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