昭和な焼きそばとおいちゃんで感動のひと時。

ずっと行きたかった店に、念願叶ってついに入店した。先日の『福岡博多秘密基地』開催時のことだ。昼飯を食う時間もないままギリギリで飛行機に乗り込み博多に着いた。ホテルに荷物を置き鳴りまくる腹を押さえつつ、まずはいつもの通り櫛田神社にお参りに行った。いつもと同じく櫛田さまに流れるいい空気を目一杯に吸って、川端商店街方面へ出る。いつも時間が中途半端で営業しておらず、この日もダメだろうなと写真の店をのぞきに行くとおいちゃんが開いてると言ってくれた。いやいや、営業時間は17時からと書いてあるから、反則だったのかもしれないが、ともかく16時過ぎの旅人を暖かく迎え入れてくれた。

 

完全なる昭和がここにあった。完璧である。そして何よりのご馳走はここのおいちゃんの笑顔だ。やさしく微笑みながら水を持ってきてくれた。この日のミッションは秘密基地だから、少しだけなら呑んでもよかろうとビールを頼んだ。こうした店では生より瓶がいい。アサヒとキリンとサッポロがあるとおいちゃん。さすがだ、わかっている店だとさらに気分が盛り上がっていく。箱根駅伝をこよなく愛し、男は黙ってサッポロビールに強く憧れるがダメな僕は迷わず「サッポロをお願いします」と答えた。出てきたのは当然ながら黒ラベルである。赤星ラガーも捨てがたいが、この店だとおそらくキリンがラガーである。となればサッポロは黒ラベルが当然の組み合わせになるのだ。この辺は昭和におけるあたり前田のクラッカーである。

 

のちに秘密基地を控えているから大酒とはいけないが、4時過ぎに瓶ビールとそれが注がれたグラスが目の前にあるのは至福だ。この至福をさらに極楽浄土へと連れていったのが写真のソース焼きそばである。ちゃんぽんを強く推しているのが、壁に張り出された写真でわかるのだが、ビールのつまみといえばソース焼きそばだ。おいちゃんの笑顔は全く衰えることなく続いていて、気がついたのは生ビールをチビチビ呑ってやがる。ますます、愛すべき御仁である。櫛田さまの前にいる恵比寿さまに見えてきた。

 

81年営業を続けていると書いてあった。戦前から櫛田さまの参拝客を見守ってきた店ということだ、パチパチ。また来たいと思わせるのは、やはりおいちゃんの笑顔によるところが大きい。そして極めて普通なやさしい味のソース焼きそばも、ビールにぴったりの魅力的な一皿だった。ちょっとした空き時間がもたらしてくれた極楽浄土を後にして、秘密基地会場へと向かったのさ。

 

 

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4件のコメント

  1. 俺も行ってみます。美味そうだ!!素朴さがたまらんですねぇ。

    • ジョニー藤好さん、期待するとガッカリしますよ。雰囲気を楽しんでいただきたいのと、恵比寿さまを感じてください。

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