昭和なカレー丼を探せ。

我ながらさすが昭和の達人である。先週に続き、またまた出張先でこんなにも素晴らしい昭和を見つけてしまった。喫茶あいにも行きたかったのだが、お仕事なんで時間はあまりなく、苦渋の選択で食堂のみの利用にした。喫茶あいはいつかまたの機会に取っておく。

安い。看板にはカツ丼550円、親子丼500、最高値が味噌煮込みうどんの600円である。昭和のまま時間が止まってしまったかのような値段に感動しつつ店に入った。

暗い。戦後じゃないんだからと突っ込みたくなるが、ここは昭和なのだから仕方ない。誰もいないだろうと扉を開けたのだが上品なお母様と御坊ちゃまがいた。

狭い。店内はテレビの音だけが響き、おばちゃんが1人で切り盛りしていた。ちょうど親子に親子丼(うまいっ)がでできたところで、カレー丼と親子丼とで迷っていた僕の心を揺らした。まだ揺れている最中だってのにおばちゃんがお茶を持ってくるじゃないか。ここで即答しなければ江戸っ子がすたるぜと「カレー丼ください」と言ってしまった。向こうにいる親子丼親子から「美味しいね」との声が聞こえてちょっと残念な気分を味わったが、動揺した姿は見せずにテレビを見ているふりをした。

待つことほんの数分、思っよりずっと早く僕のカレー丼が届けられた。かまぼこがいい。たっぷりの豚肉もいい。「いただきます」と頬張ると、やさしい味が口に広かった。「これだよこれ、昭和ってのはこれだよ」と心が叫んでいる。「うまいなあ、やさしいなあ」とつぶやきながらドンドンといく。

さあ、いくぜ。このコーナーおなじみの不親切なガイドだ。春日井駅前。以上、健闘を祈る。

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