お買い物今昔物語。

15歳のガキが楽器屋で購入したのが左の箱で、すっかりおっさんとなったつい先日ポチッとしたのが右だ。こいつらはエレキギターの強力なお供で、エフェクターと呼ぶ。ギターにつないでスイッチを入れると音にエッセンスを加えてくれる魔法の箱なのだ。

左の箱をスイッチオンするとグワーンと音が歪み、気分だけは世界一のギタリストになれる。こいつを購入して臨んだ中学卒業記念ライブのオープニングは、ジミ・ヘンドリックスがアメリカ国家をグワングワン歪まして弾いたのを真似て君が代を演った。恐れを知らない若者は人生初のライブを国歌で始めたのだ。今考えると稚拙極まりない演奏ながら、完全なる独演で始めたことは少なくとも今の人生につながっていると思う。なんて想い出が詰まった箱だ。

一方、右の箱も同じくエッセンスボックスなのだがこれがすごい。エフェクターは様々な音作りに貢献してくれ、僕がガキの頃はほぼ1つの箱がそれぞれ専門職だったのだが、こいつは何10もの箱が集約されている。それをプログラムして無限の音色を作り込むことができる。僕のガキの頃だったらそれだけのエフェクターを揃えようとしたら100万円近くの投資が必要だっただろう。それが1万円を切る価格で手に入るのだから、時の流れってのはすげえと驚愕である。まっ、使いこなすのが大変で現在格闘中である。

左を購入した時にはグワーンとさせるだけの機能でいくつものメーカーがしのぎを削っていた。今やそれとほとんど変わらない価格でたくさんの音が詰まっている。しかもポチッとするだけで翌日には届いているのだから、世の中変わったものだ。ガキの頃、ドラえもんを「ないない」と眺めていたあの日はリアルになった。そんな気分にさせたお買い物だ。

  

『昭和40年男』定期購読のご案内

最初のコメントをしてみませんか?

お気軽にコメントをどうぞ

メールアドレスは入力しても公開されることはありませんのでご安心下さい。