10代に挑む昭和40年男。

カレー高校生の頃、授業をさぼって行く茶店のカレーはこんなステンレス皿に盛られていた。ナポリタンもミートソースも一緒で、腹ぺこのガキにとっては、いつもいとおしい皿だった。そんな日々を思い出させてくれたのは、関東圏のライダーたちの聖地、つくばサーキットの食堂だ。

バイクブームがピークのときに、僕らは多感な10代後半から20代前半だった。強く憧れたり実際に乗り回していたタメ年男たちは多いだろう。僕は中学の頃に興味を持ち、今では信じられないほど活気に満ちていた上野のバイク街に友人たちとよく出かけた。年上の不良たちに混じっている気分で、男心を刺激させられながらピカピカのバイクを眺めた。ギターと出会ってしまい、バイクに乗れるようになった頃にはバイク熱は冷めていたが、今バイク関連の仕事を多くこなしているのだから人生なんてわからない。そして友人たちが出かけていた聖地で今日はお仕事で、高校時代を思い出させるカレー皿でランチを楽しんだのだ。

今年より新設されるレースの視察が今日の大きな目的だ。JP250と名付けられた敷居を下げたカテゴリーで、最近人気のフルカウル付き250ccのバイクをベースにしている。狙ったとおり10代のエントリーが多く、かつてのバイク人気に少しでも近づこうと協会や団体、その他多くの関係者たちの尽力によって実現した。改造の範囲が狭くマシンの戦闘力が近いため、順位の入れ替えが多いスリリングなレース展開となった。

表彰式10代が多いのはよかったが、中高年も多いのが問題点であり、エントリークラスならではの部分とも言える。エントリーリストには50歳と51歳が2人ずついた。俺たち世代と10代のガチンコ勝負で、表彰台にはご覧のとおり同世代のライダーは上っていない。業界サイドの立場でホッとしつつ『昭和40年男』サイドでは悔しい、複雑な結果だった。ともかく僕としてはおっさんたちにエールを送りつつ、多くの若者たちがチャレンジしてくれるように努力していくことにする。

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4件のコメント

  1. レースには経済力が必要なのでどうしたってオヤジが多いのは仕方ないと思うんですが、他にオヤジが楽しめるホビークラスはいくらでもあるのに、こういった世界を狙う若者たちがしのぎを削るクラスにエントリーするというのはいかがなものかと。高い壁にもなれないのでは出ても仕方ないんじゃないかな。
    元世界チャンプの青木治親選手ぐらいならば、若者たちに世界の走りを見せてやるという意味で良いとは思いますけどね・・・コケましたが(^_^;)
    次回のもてぎは見に行こうかなと思っているので、中原美海ちゃんにはぜひ予選を突破していただき、金満オヤジ(かどうか知りませんが^^;)を蹴散らして良い結果を出してほしいですね。

    • いやいや、決して金満オヤジたちが若者たちの邪魔をしているわけじゃないです。みなさん、それぞれの想いを持ってエントリーしているようですよ。

  2. いつの時代も血気盛んな中年男たちは、
    「まだまだ小僧どもには負けねぇ」と張り合いをみせます。
    我々世代が二十代の頃、ボウリングでふたまわり程も上の諸先輩と勝負した際に、中山律子ブーム世代のマイボール所有世代の凄さを思い知らされた記憶があります。
    「この頃の若いもんは!」と愚痴るよりも、バイクブームに熱くなった我々世代と今頃のバイク好き兄ちゃん達と楽しく語り合いたいものです。

    • おっしゃるとおり!! 世代を超えた語り合いが、バイク大国日本の将来をいい方に導くと信じてます。そしてそうなるように動きます。ありがとうございます。

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