疑惑のホームランを覚えているか?

昨日から3連休の方も多いことだろう。『昭和40年男』の最新号で、充実した時間を過ごしていただけていたらうれしいのだが…。

最新号のシティポップ特集は、素晴らしいラインナップを展開した。一方で、連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』も、いつにも増して豪華なラインナップになっているぞ。今回取り上げたのは昭和53年だ。小学校を卒業して中学生となった、最初に迎えた人生の転機だったのではないだろうか。誌面ではこの年に起こった様々なことを取り上げている。

みなさんはこの年の日本シリーズの第7戦で、1時間以上の中断となった疑惑のホームランを覚えているだろうか? 僕自身はうっすらとして曖昧な記憶だったのが、今回の特集で取り上げて鮮明に思い出した。この年の日本シリーズでは、初のセリーグ優勝を遂げたヤクルトと、3年連続日本一の阪急が争い、阪急有利の下馬評を覆し共に3勝ずつとなるタイで最終戦にもつれていた。そしてヤクルトが1点リードで迎えた6回裏にヤクルトの大杉が放ったポール際の打球のホームラン判定を巡って、阪急の上だ監督が猛抗議したのだ。なんとなく記憶が蘇ったのではないだろうか。

再検証

このホームランをめぐって1時間19分に渡ってゲームは中断した。その間、抗議を続けた上田監督の悔しさや男気、両チームの選手たちの想い、審判の苦悩などをまとめたページになっている。今回は両軍から証言者として1人ずつ登場してくれた。まず阪急からは箕田選手。攻守走そろった、近代野球の手本のような名選手だ。そしてヤクルトからは、これまたビッグな選手・松岡投手。要するに、疑惑のホームランの行方をレフトの守備で間近で見た男と、その試合で先発して長時間の抗議の間も緊張感を絶やさずに、そのまま完投勝利をおさめた男が振り返っているのだ。

そしてさらにすごいのは、この日の球審を務めた山本氏にも登場いただいたこと。当時は審判の判定を覆すというはまずあり得ないことで、山本さんはその苦しかった胸の内を語ってくれている。判定の苦しさだけでなく、上田監督とは現役のプロ選手時代に同じ釜の飯を食っているということも心の動きに作用したようだ。そんな複雑な気持ちを振り返ってくれてのコメントには、ズッシリとした重みがある。

日本一をかけて懸命に戦った男たちの間に起こってしまった不幸な事件だったと、今あらためてふれられる入魂の6ページを今すぐ開け!! えっ、まだ買っていない? 今すぐ買ってくれ(笑)!!

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1件のコメント

  1. 確かこの日は実家が農家なもんで、稲刈りの手伝いしてたんよね。
    ラジオをつけながらの仕事で、稲刈り機の音の合間合間で抗議の中継が聞こえてた。
    まだ中断してんねやぁと思いながら、嫌いな手伝いしていた記憶が蘇ったで。
    その時一緒だったじいちゃんも、ばあちゃんも、おやじも、もうこの世にはいなくて、なんかしょっぱいねぇ~・・・。

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