恐怖、食中毒。

今朝シャワーから出るとバカ息子から
「ゴールデンウィークになっちまったよ」
と、意味不明のセリフを投げられた。
よくよく聞くと、バイト先の居酒屋で食中毒が出てしまい、
1週間の営業停止処分だとのこと。
ちょうど今日から子供の日までの、
まさに世間がいうところのゴールデンウィークにずっぽしはまった格好だ。
思わず大爆笑してしまったのは、発症したお客さんと財布事情の深刻な息子には悪かったかな。

それにしても食中毒とは。
症状は深刻なものではないらしいが、
宴会の団体客から半数出てしまったとのこと。
だからこそ発覚してしまったとも考えられる。
これがもし仮に2名で入った店で1人がお腹を壊したとしても、
たぶん店のせいにはしないでしょう。
それも深刻なものでなかったら、
何がいけなかったかなあと正露丸を飲んでおしまいにしてしまうものねぇ。

そういえばこんなことがあった。
編集部の高橋と呑みに行った翌朝
「トイレから離れられません」
との連絡が入った。
同じモノを食った俺は何ともないのだが、正直な話ピンと来た。
あれだな、確かに若干ニオイがついていたもの。
かわいそうに当たってしまったのであるが、
この店を営業停止に追い込むことはしないだろう。
面倒だしねぇ。
今回の息子の店ではたまたま団体だったから発覚したわけで、
ある意味大型店というのはリスクが大きいのだな。

俺は昔、長いこと飲食店で働いていたが食中毒騒ぎはなかった。
大型店特有のいい加減さは随所に見られたけれどね。
俺は舌がいいとの評価をいただいていて
「これ今日出せるか?」
という毒味をよくさせられた。
「この豆腐まだいってはいないですけど、少し気になるので奴出だすのはやめて揚げ出しにまわしましょう」
とか、
「臭い始めてますから酒で洗いましょう」
とか、偉そうに指示なんざしていた。
なんのことはない、ただの毒味である。
こんな店で食中毒騒ぎが起こらなかったのは、ラッキーとしかいいようがない。

自分の仕事と照らし合わせてみた。
俺の仕事は腐ったものを出しても食中毒にはならない。
つまり、駄文を垂れ流したり、文字のミスを見逃したとしてもだ。
そういう意味では、甘い世界なんだな。
でもね、腐ったものを出し続けていると廃刊という永久営業停止に追い来まれてしまう。
それどころか、前作を上回っていないとやはり同じ結果になる。

一流の料理人の言葉で、想い出の味というのがある。
おいしいと思った記憶は次に来店したときには、前回の味を上回ってしまうのだと。
だから味は進化しなければいけないってね。
うん、料理も本も一緒だね。
そう、フンドシを締め直した朝だったのさ。

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4件のコメント

  1. 自分も学生の頃、陸上部の合宿サルモネラ菌にあたってしまい、高1の夏休みを棒にふってしまいました…(発症者は4〜5人いたと思いますが、入院したのは自分だけでした)。
    これからの期節、気をつけたいものですね…。

    • サルモネラ菌て名前は聞いたことありますが、夏休みを棒にふるほどの食中毒になるのですか。ひどいとそんなになるのですね。今までなめていました、気をつけます。

  2. こんにちは。
    店を廃業にして、書類上は新規店を出した形にすると営業停止期間を待たずに再開できるとかいう怖い話も聞いたことがありますが、ホントにできるんでしょうかね?(^_^;)

    ずっと昔、雑誌のライター編集をしていました。実験的な企画も、「次号が出ちゃえば店から消える、その間だけ恥をかけば良いんだからやってみろ」と、結構おおらかにやらせてもらいました(編集長と謝罪に行ったこともあったけど^_^;)。この頃のDTPでやってる雑誌で、流し込みでネームが尻切れになってるのが目立ってついに買わなくなったのがありました。お客さんのときはかなり厳しいかも(笑)

    おいしい味は進化しなくちゃですか。一方で「いつもの味で変えないで」って部類のもありますよね。飲料は定番商品でも一定期間で味を変えるのが普通のようですが、「ありえないわ~」ってサヨナラがたまにあります。

    • そんな怖い抜け道があるのですか、恐ろしい。息子のところは当日現場にいた全従業員の検便が行なわれました。それと停止処分明けの前々日に、食中毒についての講習会を受けるそうです。おいしい味についてはいろんな方がさまざまなコメントを出していて、おもしろいですよね。ここに書いたのは、自分の仕事に置き換えたときに参考になるなと思ったコメントで、確かにサヨナラもありますね。

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