名古屋メシっ!!

“名古屋メシ” という言葉は、すごく響きがよろしいですな。ひつまぶしに味噌煮込みうどん、きしめんやあんかけスパゲッティなどなど、愛知県には独自の炭水化物メニューが多くある。そして今日のこのタイトルであるが、厳密に言えばこれよりご紹介するのは、これらのような炭水化物メニュー、つまりメシではない。つまみなのだ。が、エビフリャー (なんて言うヤツは名古屋にはいない) や味噌カツなんかも、炭水化物のためのメニューで堂々と名古屋メシに分類されている。にとっては酒が主食なわけで、つまみはそのためのメニューなのだから名古屋メシなのだ。これでいいのだ。

 

なんといっても味噌文化である。江戸時代から続く、家康公も愛したといわれる八丁味噌という宝が存在するのが大きい。このコクの深さがもとになって、味噌料理の数々が生まれたのだ。岡崎にあるメーカーを取材したことがあるが、その手間を惜しまない味噌づくりに驚かされた。うまいはずだ。

 

今回の滞在では、名古屋駅からほど近いところに宿をとり、徒歩で20分ほどかけて繁華街の栄に繰り出した。一人で店を物色している時間のなんとも楽しいことよ。『孤独のグルメ』の五郎さんの心の声がよくわかる。「うーん、この面構えはいいぞ」と、イベント仕事をこなして清々しい疲れの自分に名古屋コーチンを奢ってやろうと入ったら、残念ながら満席だった。日曜のせいか、雰囲気よさげな小さな店はほとんどが開けておらず、名古屋メシが充実している大衆居酒屋に入った。やや大箱でありながら、細やかな気遣いをする兄ちゃんが心地よく、厨房には手羽先に心を込めてと張り出されていた。

 

まずビールと一緒にオーダーしたのがおでんだ。まさかいきなり名古屋の味をいただくとはびっくらこいた。赤味噌仕立てである。初体験である。甘かったらやだなと思ったら、これがスッキリ出汁で大変おいしい。おかわりしようかと思ったが、他にも名古屋メシが充実しているから我慢して手羽先だ。こちらもよその店に比べると甘さ控えめでうまいうまい。名古屋メシ気分が最高潮に達したとき、本丸であるどて煮をオーダーした。これはさすがに甘いが、この深い味噌味はホッピーに最適である。このトリオによって、名古屋メシは完璧に締められた…、はずだった。

 

向かう道と変えてブラブラとホテルへ戻った。途中、寝酒を買いにコンビニに入り、肴を物色するとなんと「きゅうりのキューちゃん」を見つけた。これを “なんと” と表現するのは、きっと愛知県民には叱られるのではあるまいか。そう、東海漬物である。本社が愛知県である。ガキの頃にCMでよく見かけたし、東京でもスーパーに行けば手に入る。が、コンビニでさも当たり前のようには置かれていない。思わず購入して、ひとりぼっちの部屋の酒席を彩ってもらった。懐かしい味でありながら、こんなにうまかったのかとうなってしまった。名古屋、ありがとう。東海漬物さん、最後にもうひと攻撃ありがとう。大満足の夜だった。
 

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