おっさんにもやさしいとんこつラーメン。

 

ここ何年だろうか、若い頃と舌の感じ方が大きく変わった。が育った家は自営だったから、忙しいと店屋ものにしようとなり喜ぶが、親父がいつもラーメンよりそばの方がいいなと主張し、僕ら兄弟はがっかりしたりしたものだ。が、今ではまったくのシンクロである。

 

東京ではまだ豚骨ラーメンを食わせる店が少なかった頃、初めて食った時には、そのパンチ力と大喰らいにありがたい替え玉というシステムで、これには一生ついて行くと感じたほどだった。が、今では豚骨は苦手の部類であり、おそらくもう何年も食っていない。

 

どっこいこの一杯はきっと違うはずだと、勇気を出して久しぶりに入ったのが、博多っ子たちが誇るお櫛田様のすぐそば、中洲川端商店街にある長浜家さんだ。ちなみに、元祖を名乗る長浜屋が1店と長浜 “家” は2店ある。どこもあっさり系でうまいと評判だが、僕はここしか知らない。おそらく10年くらい前にここに入り、好印象が残っている。今回の博多出張のとんぼ帰りが迫る中、10時から営業しているここはありがたやと入った。

 

壁に、“もうギリギリいっぱいで無理だから値上げしたよ。ごめんなさい” という主旨の張り紙があり、なんだか痛々しく感じた。そう、日本中が困っているのだ。“大丈夫ですよ” という気持ちで、700円に値上げされたばかりのラーメンを待つこと数分で写真の一杯が届けられた。シンプルである。スープをいただく。うん、やはりこれだ。これなら僕でも大丈夫だとうれしくなった。しばしいただいてから、紅生姜と胡麻をやや下品なほど投入して楽しんだ。替え玉仕様と言えばよかろうか、スープの量が多い。そして、テーブルには替え玉で薄くなる分の追いタレが小さなやかんに入っているのだ。すばらしいっ。が、スーパーダイエッターの僕は、替え玉を我慢する。そして、多くの客が飲み干しているスープも残してしまい、なんだか申し訳なくすごすごと店を出た。が、大満足だった。

 

思い出の味は健在だったが、前に食った時よりも感動が薄かったのはやはり舌が老いているからだろう。あご出汁のうどんの方が今の僕には格上になっちまった。あっ、いけね。今回の出張でうどんを食ってない。僕にとっての博多のご馳走といえば、極上だしでいただくやわらかいうどんと胡麻鯖である。今回も写真の胡麻鯖は極上だった。こちらは中洲にある、喜屋というお店で博多在住の仲間が自信ありと連れて行ってくれた。いやあ、いい店だった。と、こうして博多グルメが満喫できたのであーる。
 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で