吉野家 vs. 松屋

この勝負、みなさんはいかがだろうか? 牛丼店としてだったら吉野家に軍配を上げるのだが、にとって松屋はカレー屋さんなのだ。という意味では、引き分けになるのだろうか。ちなみにすき家に入ったことがないのは、きっと昭和のおっさんだからだろう。これに関しては、あまり多くは語らないが、なんとなくご理解いただける同世代諸氏は多いのではあるまいか。

 

わが街にはこの2店がほぼ隣にある、素晴らしいスポットがある。牛丼食おうかなと足が向かいカレーに変更とか、その逆もままあり、写真のこいつにありついたのもそもそもは「牛丼並つゆだくと卵」と、いつもの決め台詞でパシッといくはずだった。が、油断は禁物だ。ひとたびカレーを思い浮かべてしまえばもうおしまいDEATH (ちょっと古っ・『日本沈没』の録画がたまっている) なのである。血糖値を気にするおっさんの習慣、ベジファーストを決め込もうとミニサラダ付きを選択しているのがかわいい。

 

いつからだろうか、「創業ビーフカレー」を名乗るようになったのは。このネーミングはあまりかっこいいとは評価できない昭和親父である。以前と差異がわからない舌の悪さだが、きっと企業努力を積んでいるのだろうと評価するべきだな。松屋のカレー最大の特徴は甘さなのだが、これはこれでよしとしたい。相変わらず昭和なカレーである。サラダはフレンチとごまドレッシング双方ブレンドでいただく。そしてなにやらまたも企業努力の跡が見つかった。味噌汁がうまくなったとあるじゃないか (ピンがイラストで失敗) 。そう、松屋の味噌汁はかえって出さない方がいいのではないかというほどだしが薄くて具も貧相な、お湯で味噌を溶いただけじゃねーかというほどとてもいただけない汁だった。が、「うまいっ」と唸るほどではないものの、確かによくなっているじゃないか。松屋と吉野家を比較する場合、この味噌汁はウィークポイントだった。吉野家で味噌汁をオーダーする僕でないのになぜかといえば、ガキの頃よりお袋から出されたものは残さず食え教育のせいであり、たとえ味噌とき湯であったとしても残せないのである。ちなみにもう一つのウィークポイントがわかりづらい券売機で、これはおっさんゆえ仕方なしなのだが、コロナのくそったれでも頑なに導入しない吉野家の姿勢が好きだ。

 

で、やはりこのカレーうまいなあ。飛び上がるほどではないのだが、単品490円でこれだったら十分である。食うたびに、若かりし日を思い出すのもいい。散々飲んだ後に、味噌とき湯に閉口しながらも大盛りをかっこんだあの日の味なのだ。で、この日もそんなタイムスリップを楽しみながら、“創業” とネーミングしたのも悪くないなと思ったりして…。あの日のように大盛りにしなくなったのが、時の流れってやつだなあ。
 

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