金鳥の夏、日本の夏。

先日、我が家の居間でくつろいでいたところ蚊に食われた。つかの間ののんびり気分を台無しにしやがって、本当に蚊ってのはムカつく。が、日本の夏には金鳥がある。今年初となる豚さんの登場である。なぜ豚の形なのかは、中川政七商店さんが詳しく解説なさっているから、ご興味のある方はぜひ。僕自身、ガッテンガッテンを楽しめた。こちらのサイトによると、現在では三重県の四日市市と三重郡菰野町 (こものちょう) で製造しており、毎年全国に十数万個が出荷されているとのことだ。ヒェ~っ。

 

僕が愛用しているカワイイこいつを買ったのは、もうかれこれ30年くらい前だと記憶している。三重県で製造された “本物” かどうかはわからんが、毎年夏を彩ってくれる相棒である。線香をぶら下げるのに一手間かかり、夜中にベッドで刺された時は豚さんは登場しない。余裕がある時だけの登場なのだが、そもそも蚊に刺されて被害を被っているのになんで楽しみに変わるのだろう。そして思うところは、三重県から出荷した全てが売れるとは限らんが、年間に数万人は確実に所有者が増えているということではあるまいか。だってね、一度手に入れたら、そうそうに買い換えるものでないはずだもの。そんな方々たちはきっと僕同様、夏の被害を “粋” に変えてしまいたいのではあるまいか?

 

僕は金鳥の香りが好きだから、少々高めのプライスながら指定銘柄である。これもなんだか可笑しい。今時だったら、プシュッと一発で効果があるらしいのをCMで見るが、僕は金鳥の蚊取り線香が好きなのだ。前述したように、一手間かけてまでセットするのもまたいとおかしである。

 

さて、今日のつぶやきは急展開する。日本の将来に、粋を貫く暮らしは大きなキーワードになるのはないだろうか。僕が一人で経験した海外は、イタリア・ミラノ、中国・広州、韓国・ソウルと拙いながら、日本の未来をテーマにしてとことん歩いた。この中で目指すべきはミラノだと、僕は強く感じたのだった。経済においてはEUの中で成績不良者でありながら、スポーツや宗教も含めた文化の尊重が徹底していた。人々の人生の楽しみ方が半端ないのは、文化尊重社会がゆえだと僕なりの一つの答えを見つけ出したのだった。成熟した社会とすればいいだろうか、ここを強化すべきなんだと燃えに燃えながら帰路の飛行機では眠れなかった。

 

韓国・ソウルは楽しめた。だが残念ながら、根本的な部分で軸がないように見えて、刺激は全く受けなかった。他方、中国・広州は目が回るほど刺激的だった。急成長というのはこういうことなんだと感じられたが、同時に寂しい気持ちにも襲われた。かつて24時間働いた日本にはもう戻れないだろうから、広州で感じたような成長社会は目指せないのだと。ジャパンミラクルを見ながら育った俺たち世代には悲しいことだが、現在の我が国を見れば見るほど強くうなずくことだろう。もちろん完全に諦めることはなく、天才や努力家がまだまだ日本には多いから、彼らが働いて働きまくって楽に働ける社会インフラを作るべきなのだ。

 

日本人が太古より身につけてきた精神をきちんと紐解いていき、より高い文化レベルを目指して産業や暮らしを作っていくことは大いなる武器となるはずだ。真の意味での豊かさであり、ミラノがサンプルとして教えてくれた。蚊取り線香の豚さんを眺めながらかゆみ止めをぬりぬり、そんな風に燃えている自分がいた。
 

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