懐古でないと訴えつつ、無駄の大事も説くおっさん!!

『昭和40年男』は懐古雑誌でない。何を今更とおっしゃるなかれ、3月11日発売号の締め切りの現場でそれを強く確認させてもらっているからついつい訴えたくなった。目の前でパラパラとめくる方が「懐かしい~」と目を細めるのはよーくわかる。本文を読まずに、並べられた写真をパラパラと眺めたらそうなるだろう。が、11年半にもわたってず~っと変わらず表紙に明記しているコピーを、このつぶやき読者なら飲み込んでいる。そう、“明日への元気と夢を満載!”である。これは兄弟誌の『昭和50年男』でも貫いているし、やっと見えてきた『昭和45年女』でもブレずに進む。もちろん各々での表現上の違いはある。ましてや今度のチャレンジは女性ターゲットなのだから、誌面展開は僕自身が楽しみなくらい差異が生じるはずだ。うんうん、楽しみでしょ!!

 

次号で表紙を飾った方のインタビューが、まさに懐古主義雑誌でなく“明日への元気と夢を満載!”という我々の考え方を理解してくださった上で、多くのコメントを出していただけた。つい先ほど、そのページを手放したところでお礼のメールを打ったところだ。数々のコメントは、雑誌作りの神様からの贈り物にも感じていると。さてさて、情報解禁まではもうしばし時間をいただくが、影響力のある方が自分の言葉で、雑誌のベクトルとシンクロする言葉を発してくださるってのはうれしいったらない。

 

だが、昔のいいものもたくさんある。それはそれで大切にしたいなとこんなモノを引っ張り出して今日のビジュアルにした。同じ曲数が入ったパッケージなのにアナログとデジタルでこんなにも異なるのだ。大きいことはいいことである。「ボヘミアン・ラプソディ」を聴くならやはりレコード盤で、まずA面からしっかりとプレイしてひっくり返すと風が吹いてきてハープの音が鳴る「預言者の歌」から、徐々にハイライトへ向かっていき20世紀の名曲が終わるとクロージングの「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」が流れ終わる。しばし針が奏でるノイズで余韻を楽しむのはなんとも贅沢じゃないか。盤をひっくり返す手間や、終わってしばしの時間の無駄はスピード社会が失いかけていることだ。実はこんな無駄の中に豊かさがあることを、俺たち世代はもっと楽しんだ方がいいし、社会は取り戻した方がいい。温故知新雑誌なのだから、その使命もまっとうせねばならぬ。

 

さあ、作業は大詰めだ。今月は28日しかなくて損した気分だが、概ね順調である。隔月刊誌のおもしろいところで、もう3月になろうってのに今年1発目の作業なのだ。で、編集後記に新年の挨拶を入れ込むべきかと本気で悩んでいることも、これまた無駄でいとおかし。

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