仕事納め。

もう冬休みに入っている方がほとんどだろうと乗り込んだ電車は、今からお仕事だといういでたちの方が多く見られた。もっとも金融は今日も動いているわけで、小売業などはかきいれだろうからあたり前田のクラッカーかな。写真はそんな朝の出勤時に撮ったもので、大好きな大イチョウだ。毎年タイマーにセットされているように大晦日に向かって葉を落とす。都内の他のイチョウに比べると黄葉は遅く、やっと見頃となるのは毎年12月の20日前後だ。見頃を迎えたと思ったらすぐに大量に葉を落とし始めて、元旦にはほぼ1枚残らず散っている律儀なやつだ。

 

今年の仕事を振り返りつつ、僕の他に2人しかいないオフィスでペンを走らせている。兄弟誌の『昭和50年男』を去年の10月に打ち込み、今年は偶数月に6冊を書店棚に並べた。増刊号の総集編シリーズも同じく偶数月に6冊並べることができた。これらによって、年間に18冊のシリーズをリリースしたのは数としては過去最高記録だ。走ってよかったと強く思えていて、気分はすこぶるよろしい。

 

一方で、イベントというイベントがなくなった。『浅草秘密基地』はもちろん、バイク系のイベントを得意とするうちの会社にとって経験したことのない年になった。東日本大震災のときも、次々と中止に追い込まれてずいぶんと痛手を被ったが、今年はそれどころでない。ウチの会社が主催だったり、共催イベントで強行策に打って出たのがわずか4本だけだ。僕が大暴れするでっかいおもちゃと位置付けている『東京モーターサイクルショー』は、すでに来年の中止までも発表されてしまった(泣)。まだまだしばらくは混乱が続くだろうが、僕は隙あらば動くの姿勢を貫いていく。コロナのバカヤローに心は絶対に屈しない所存だ。

 

11月に強行した海岸清掃イベント『ラブ・ジ・アース ミーティング』が、国内バイクメーカーのいくつかににとって今年唯一の野外イベントになった。大手ゆえに本来は自粛しなければならなかったはずだが、僕が主催者責任としてケツを持つからと説得に説得の末、ブース出展していただいた。いつもより準備と撤収に手こずっていたのは、今年のイベントがすべて中止に追い込まれていたことを物語っていて、ちょっと笑えた。そして来場者たちもバイクイベントに飢えていたからか、いつもの開催より多くのライダーが集まった。そして人数以上に大きな拍手を向けてくれたのは、強行する姿勢に賛同が得られたからだと感じられた。本当にうれしかった。

 

残念ながらコロナのバカヤローに負けてしまった方は多い。僕にとっての大切な店が、多く無くなった。スナック、そば屋、そして寿司屋がなくなったのは本当に痛手だ。赤坂でがんばっていた店は、元総理大臣が1人や夫婦で来たり、芸能人や官僚筋の方などなど、実はVIPな方々が多く訪れる店だった。そんな方々との会話から、勉強させてもらったことが多々ある。ある大手出版社社長とも出会えた。思い出す、何年か前の12月26日だった。『昭和40年男』の年内最終号をすべて終え1人でご褒美に出かけた夜で、僕のうれしさをご理解いただきながら意見交換させてもらった上、図々しくも後日会社訪問させてもらったりした。そんな大切な店もコロナのバカヤローに持っていかれちまった。いや、コロナよりもむしろ、視聴率を稼ぐために刺激を盛りまくった情報バラエティに潰されたと僕は思っている。これが悔しくてならない。

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