アン・ルイスの歌声が聴こえる。

先日、最新号にゴーバンズの森若香織さんに登場していただいたことを起点にして、80年代の女性ロッカーやガールズバンドの記憶の旅に出た。この旅で久しぶりにアン・ルイスさんのことを思い出し、その偉大なる軌跡や影響の大きさを再探訪しているところだ。ここ数日、彼女の曲を聴き漁っていて、楽曲という素材をサイコーの料理に仕上げるアンさんの歌唱に脱帽している。

 

当時アルバムでは聴いていない。ライブテープを1本と、それ以外ではシングル曲を中心にバイト先の有線放送とテレビから聴き漁っていたのだ。アンさんは気取ることなく、お茶の間に惜しみなく特上のサウンドを届け続けた。キャラも明るくてブラウン管によく似合った。

 

さてさて今日は、あらためて聴き直した僕のベスト5をつぶやいちゃうので、皆さんもぜひランキングしてみてほしい。前述したとおり、アルバムを聴いていないから通な方には物足りないかもしれないが、まあともかくいってみよー!!
ドゥル〜〜〜ジャン。第5位。
「ラ・セゾン」
いやー、かっこよかった。この曲を高校時代に歌い込んだことは、先日もつぶやいたとおりで感謝している。女性の心情を想像しながら自分にぶち込んで歌を仕上げていく、初体験になった曲だった。ヘビーめのロックなのにキャッチーで、アンさんワールドと歌唱が第2クールに入ったのだと僕はとらえた。

ドゥル~~~ジャン。第4位。
「KATANA」
スズキの名車と関係はないだろうが、この響きはグッとくる。バラバラ死体はきっと私とか、一糸もまとわない心とか、すげー言葉が並ぶこの歌詞はもはや演歌ワールドなのだが、やはりさすがの表現力である。女性に大きな支持を受ける名曲「WONAN」と同じく、石川あゆ子さんのペンによる歌詞だ。

ドゥル~~~ジャン。第3位。
「I Love Youより愛してる」
この曲が男心にグッとくるのは、“濡れる” と “匂う” という言葉があまりにも効果的だからで、「ラ・セゾン」と同じく山口百恵さんによるペンだ。作曲はきたーっ、時代の先駆者・NOBODYだ。アレンジも当時っぽく、Aメロがカッコいい。ギターとベースによる16ビートのユニゾンに、ギターのやはり16カッティングが絡み、太鼓はシンプルに1・3拍目にバスドラ、2・4拍目にスネアと完璧なる王道が気持ちいい。名曲だなあ。

ドゥル~~~ジャン。第2位。
「LUV-YA」
「ラ・セゾン」に続くシングルで、これもNOBODYによる曲だ。頭打ちをバックにタイトルを連呼するアンさんがメチャメチャカッコいい。出産から復帰の、僕に言わせると第2クールの曲が立て続けに5位、3位、2位と並ぶのは、ハイティーンだった自分の女の子への興味と比例して高くなっているのかもしれない(笑)。

ドゥル~~~ジャン。そして栄えある第1位は。
「天使よ故郷を見よ」
違うんじゃねと思っている方と、ウンウンそれっきゃないよと思っている方とで賛否両論でしょうな。こんなにロックな曲で “故郷” という言葉を使っていることと、しかも “天使” と組み合わせている作詞家の川村真澄さんのセンスがたまらん。彼女の詞は渡辺美里さんの「My Revolution」も馴染み深い。当時、アンさんの歌唱がこの曲によって第3クールに入った気がした。「ラ・セゾン」から5年、桑名さんとの離婚を経て年齢も30を過ぎて、円熟とパワーと情念の歌が冴え渡っていて大好きだなあ。

 

この曲の次のシングルが第4位だから、僕のランキングはアンさんの第2クールと第3クールのスタートダッシュで対決している感じだ。では、第1クールからマイベストを挙げると?
ドゥル~~~ジャン。「リンダ」だな。長文にお付き合いいただきありがとうございました!!

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