コロナ上等!! 黙っちゃいないぜ。

本来であれば、今日は1年のうちでもそうそうない二日酔いの予定日だった。毎年3月の最終週の金曜から日本最大のバイク見本市『モーターサイクルショー』が開催される。3日間で10万人以上を飲み込むビッグイベントで、昨日がその初日のはずだった。この午前中がまずプレス向けに解放されて、僕は年に何度かしか着ないスーツに身をつつみ、会場を賑々しく練り歩く。そして夜には、初日の慰労と本格的に来場者が詰めかける翌日からの決起大会となる宴を主催している。二輪業界人が、これほど多く東京に集結する機会はまずないから、出展ブースの担当者やレース関係者、プレスの連中が交流できる時間を演出しているのだ。名付けて『二輪業界秘密基地』。そう、僕が仕掛ける秘密基地は昭和40年男だけでない。

 

毎年午前様どころか朝方まで呑む。最後まで付き合っていただけるのは数名ながら、毎年ネジを外したまま盛り上がるのだ。そして翌日の朝は開場前のミーティングからお仕事となる。ついさっきまで一緒に盛り上がった方々も、みんな周囲から酒臭いと文句を言われながらも業務にあたる。苦しいが楽しい。それが本来であれば今日だった。

 

残念ながら年に一度の祭典がコロナにやっつけられた。悔しいが仕方なしな状況に至っている。が、ただでは済まさないのがネアカ(死語!?)なバイク業界だ。ホンダはサイト内にバーチャルモーターサイクルショーを立ち上げて、本来披露するはずだったブースを紹介している。すばらしいのは、なんと実物をこのために組み上げちまったことだ。その負けず嫌いなホンダの姿勢が僕は大好きだ。とはいえ大手企業、この情勢下で諸々の作業を発生させるのだから、社内には自重論があったに違いないことが推測できる。それでもユーザーを第一に考えて突っ走った担当者の強い意思がここにあるのだろうと、僕はそう感じてならない。さらにスズキも早々にこうして奮闘した。日常業務がコロナ対策で大変なことになっているところに、上積みでこうしてがんばる姿勢はすばらしい。

 

フッフッフ、そんな大企業様の展開に比べたら微々たる騒ぎかもしれないが、ウチも昨日より展開するはずだった女性専用ブースのコンテンツを使って、レディスモーターサイクルショーを立ち上げた。手前味噌ながら担当者たちの努力であり、大変な思いをして作った。こうした厳しい時にこそ前を見て何かを仕掛ける。そんな日本でありたいですな。

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