マイケル・ジャクソン単独初来日! 昭和62年・第38回『NHK紅白歌合戦』と共に当時のヒット曲や世相を振り返る!

国民的歌番組、「NHK紅白歌合戦」(以下、紅白)は、今年令和元年の大晦日で70回目という節目を迎えます。近年ではかつてのような視聴率を獲得できず、人気が低迷していると言われていますが、昭和40年男世代の幼少期~青年期は、ほとんどの国民がテレビにくぎづけになったほど! そんな紅白の出場リストから、その年のヒット曲や話題の歌手などを振り返ってみましょう。第17回目は、おニャン子系VS.スケバン?!系アイドルで、アイドル界が大盛り上がりの年、「昭和62年・第38回大会」です。

チャートを独占したアイドルたち

昭和62年はチャート52週中、47週(36曲)をアイドルが占めたという年でしたが、「老舗」の紅白では、まだまだ演歌のほうが強かったようです。初出場には、「命くれない」瀬川瑛子、「浪花そだち」神野美伽、尾形大作「無錫旅情」、チョー・ヨンピル「窓の外の女」の演歌勢4人に加え、紅組・金子由香利、白組・谷村新司などの実力派が選出され、この年新たにブレイクしたアイドルたちの姿はまだありませんでした。やはり国民的な歌番組とあっては、単なる人気だけでなく「歌の実力」を見極めての選出ということなのでしょう。いわゆるアイドルではありませんが、小比類巻かおるや稲垣潤一などのJ-POP、J-ROCK系の本格派も登場し、演歌色の強い紅白にアクセントを与えていました。

元祖ママドル・聖子ちゃん人気衰え知らず!

出産後の復帰作「Strawberry Time」がヒットし、約2年のブランクをものともせず紅白出場を果たした聖子ちゃん。伝説のアイドルは、やはりすごかった! ママになっても、ぶりっ子が似合うアイドルなんて…ただただ憧れるばかりでした。その間に活躍した、中森明菜&小泉今日子もちろん負けていません! 「82年組」のなかでは比較的ブレイクにはスロースターターだった二人が、逆に長きにわたり人気を維持するという展開になり、この年もそろって出場。アイドルから、ちょっぴり大人の歌手へと変わってゆくこの時期の女の子たちは、本当にこの時期にしかない魅力をもっていると感じさせられますね。あなたは誰派でしたか?

巷で話題はスケバン?刑事?アイドル?

初代主役を斉藤由貴が務めた、テレビドラマ『スケバン刑事』。シリーズ2作目『スケバン刑事Ⅱ少女鉄仮面伝説』を南野陽子が、3作目『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』を浅香 唯が演じて、大ヒットドラマとなりました。85年デビューの浅香 唯は「スケバン」がきっかけでブレイク! 自身が歌った主題歌や、ドラマの役そのままのユニット「風間三姉妹」でも曲を出すなど、スケバンから人気アイドルへというスタイルが。後に、南野陽子、浅香 唯は、中山美穂、工藤静香と供に「アイドル四天王」と呼ばれる存在になりました。

この年の音楽シーンの大きな出来事といえば、マイケル・ジャクソンやマドンナ、ライオネル・リッチーなど、名だたるスーパースターの来日が挙げられます。特に、マイケルはあの「スリラー」のヒットから5年近く経ってからの来日ということで、まさにファン待望の単独初来日となりました。一方で、昭和40年男世代には『太陽にほえろ!』の七曲署のボスでお馴染みだった石原裕次郎さんが亡くなった年でもありました。享年52とは、今思えば本当に若くしてお亡くなりなったのだとあらためてしみじみ感じます。NTT株が上場され160万円の初値がついたり、国鉄が民営化されたり、鈴鹿サーキットでF1日本グランプリが初開催されたりと、何やら慌ただしく世の中が動いたバブル真っ只中! 日本の一企業がゴッホの『ひまわり』を58億円で落札したという出来事は、まさにジャパンマネーの勢いを象徴していた昭和62年でした。

※当時のレコードジャケットなどは、「昭和40年男」6月号増刊「俺たちの胸に刺さった昭和ソング」P38~39に掲載されていますので、あわせてご覧下さい。(「昭和40年男」編集部・まつざき)

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