ボヘミアン・ラプソディ 〜大編集後記。

 

発売直後恒例の僕による最新号の解説、大編集後記を綴らせていただく。いきなり脱線ゲームだが、僕はクイーンで洋楽にハマり、その後の人生をロックありきで生きてきた。なのに、クイーン以降様々なロックにふれて行くたびに心が離れていった。アルバム『ザ・ゲーム』を最後にして冷えていったクイーン熱だったが、フレディ・マーキュリーの死によって再燃させられた。最後のアルバムとなった『イニュエンドウ』の鬼気迫る歌から、中坊の頃むさぼりつくように聴いたクイーンを取り戻したのだ。さらに時は流れておっさんは、映画『ボヘミアン・ラプソディ』で涙を流した。つうか、号泣した。なぜあそこまで涙があふれたかといえば、言葉にすると「今自分がここにいるのはあなたたちと出会い、ロックにハマり、そのままに生きてこられたからです」だった。

 

長い前置きになった。今回の僕の本づくりの歴史の中でもっともぶっ飛んだといえる特集『俺たちのお母さん』は、まず昭和のお母さんベスト100を綴った6ページに始まり、その中でも記事にして楽しそうな母さんを低い順位から並べて構成にした。さらにランキング外のネタを、“あれこれ”と題して箸置きのように構成中に練りこんだ。昨日解説した通り、そのランキングと5つに分類した昭和の母ちゃん像をクロスさせて見せていこうといく企画に落とし込んだのだ。

 

ランキング100に続く怒涛のお母さんたちのトップバッターを飾ったのは、クイーンのリード・ヴォーカリスト、フレディ・マーキュリーの母、ジャー・バルサラだ。その存在を強く感じさせたのは大ヒットした映画『ボヘミアン・ラプソディ』だったが、中坊の僕を激しく揺さぶった名曲『ボヘミアン・ラプソディ』の歌い出しの“ママ〜”は今回の特集で取り上げる強さがあるはずだと主張すると、食らいついてきたのは副編集長の竹部だ。そのまま担当してもらい、ご覧の素晴らしい見開きができた。

 

「ママ、たった今 人を殺してしまったよ」
この特集本編の冒頭となった言葉は、幼き日に『オペラ座の夜』を聴きながらどんな意味なのだろうと考察させられた言葉でもある。本づくり人生でもっともぶっ飛んだ特集を、これによって始められたことが偶然にしてはうまくいっているなとニヤニヤしている。ギュッと詰まったこの2ページを、ぜひご一読くだされ〜。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で