偶然の末にチョコレート。

出張の帰り、新幹線に乗り込み指定の席を見つけるとなんだか申し訳なさそうに女性が声をかけてきた。「あのー、席を変わっていただけないでしょうか」と。見ると子供連れの3人で声をかけてきたのがおばあちゃんで、その娘と息子といったところか。僕の席が空けばなるほど、椅子を回転させて4人の楽しい旅仕様になる。もちろん快諾して2両動いていくとさらになるほど、おじいちゃんらしき男性がいた。この方は無愛想で、ちょこっと頭をさげる横で女性はひたすら申し訳なさそうにしていた。東北のガンコ爺さんと気立てのいい奥さんの夫婦が微笑ましい。席番号を見ると12番C席まで一緒というのは偶然にしてはよくできている。

電車が動き出して少し経つと、気立てのいい奥さんがやってきてアーモンドチョコとお茶を渡すじゃないか。「いやいや、そんな」と言ったところで持ち帰るはずはなく、ありがたくいただいた。後にやってきた車両販売の台車に同じチョコが入っていて、これもちょっと笑える小ネタである。

おじいちゃんは当初旅行に行く予定ではなかった。だが一緒に行けることになり、席を取ろうとしたがその席は僕が前日の午後に抑えてしまった。ひとまず違う席を購入して前述の作戦に出たのだろう。が、そのお礼の品までは用意していなかったところ、車両販売が来て気立てのいい奥さんはお礼をしようとなった。と、きっとこんなストーリーだな。おまけは、12番C席という偶然まで呼び込んだことだ。

たまたま買った席が家族旅行とぶつかり引き込んだチョコレートとお茶だ。これほどの偶然が重なったのがおもしろい。何かを呼び込むラッキーだととらえてしまうゲン担ぎな僕だ。さあ、いいことあるかなと東京までの車両でワクワクしながら帰った出張でした、チャンチャン。

  

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