春の予感。

昨日の東京は汗ばむほどの気温まで上がり、桜はご覧の通りいよいよ開花が近づいてきた。今年は寒さに折れそうになる日が多い冬だったけど、季節はめぐるのですな。

この時期ついつい口ずさんでしまう曲が南沙織さんが歌った『春の予感』だ。尾崎亜美さんのペンによる曲で、さすがと唸る名曲である。中1にあがる直前のヒットだったから、最も歌謡曲に夢中だった時期ともシンクロして、なんとも甘酸っぱい気持ちも連れてくる。子供心に、誘われたわけじゃないとのフレーズがビビッと来た。まだまだガキだけど女性の胸の内を見せてもらっているような、そんな気分を味わった日が懐かしい。

春をテーマにした曲でも3月と4月、初夏と混じり合う5月とそれぞれにいい作品がキラ星のごとくあるのが当時の歌謡界だった。男女をテーマにしながらも、巧みに季節を取り込んで美しい絵を作っていった作家たちに脱帽だ。まるで柔らかな光や風までも感じさせてくれるような表現を、ガキの頃に押し込んでくれたことに今更ながら深く感謝している。

さてさて、今年の桜はいつ頃見られるだろうか。寒かったわりには今の所開花は早めと伝わってきている。僕の住んでいる街では土手の桜が見事で、桜祭りが毎年開催される。ただ、僕が引っ越してきてからこの祭りは雨降りか桜がまったく咲いていないってのがほとんどである。今年こそ盛り上がっていただきたいと願いながら、もうすぐに迫った桜の蕾にしばし心が奪われていた。

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