渡辺一樹選手が表彰台をゲット!!

撮影/カワサキモータースジャパン 安増太一。いつも仕事をご一緒している彼に頼んでもらった会心のショット
撮影/カワサキモータースジャパン 安増太一。いつも仕事をご一緒している彼に頼んで手に入れた

先週末に宮城県の『スポーツランドSUGO』で開催された全日本ロードレースで、カワサキの若きエースライダー渡辺一樹選手が今季初の表彰台に立った。25歳(半分!!)の彼とは仕事を通じていい付き合いをさせてもらっている。惜しくも一番高い所は逃したが見事に2番手につけ、約1ヵ月後に迫った『鈴鹿8耐』に向けて弾みがついた。というのも、前半戦最後となる4戦目(今年は震災の影響で1つ中止)は120マイルで競われミニ耐久と呼ばれる。8時間耐久へと繋がるまさに前哨戦だ。ここで2位をゲットしたのは大きく、チームメイトの柳川明選手も4位に入る健闘を見せ、チームとしてはいい流れになっている。

国内最高峰のバイクレース『JSB1000』クラスと、夏の祭典『鈴鹿8耐』はベース車両に市販車を使う。今年カワサキはニューモデルを投入したため、ベースマシンの戦闘力は上がった。が、それはそれでしかなく、ここから先にプロのプロたる仕事が始まるのだ。チームとレーサーがひとつになり、マシンのセッティングを詰めていく。テストとレースでデータを取り、レーサーはそのデータに研ぎすました感覚を注ぎ込んでいく。レース本番で速く走ることはもちろん大切な仕事だが、マシンの状況を的確につかみ、改善ポイントをチームに伝えるのも極めて重要な仕事なのだ。その能力が高いレーサーには結果がついてくる。

当然ながらこの作業はデータの積み重ねが多いほど、時間が多ければ多いほど有利ということになる。逆に新しいマシンはこの蓄積が足りず、とくにシーズン序盤は苦戦を強いられることが多い。ましてやカワサキはホームコースが震災の影響で使用できなくなってしまった。他のコースでプログラムされたテストも天候に恵まれなかったりと、ことセッティグにおいてはかなり苦戦を強いられている。そんな中で2位という結果はあっぱれと言っていいだろう。

加えて今回のレースの大きな成果は、前を行く絶対王者のヤマハファクトリーの尻尾を見たのではなかろうか。結果だけを見ると大差だが、おそらくつかんだに違いないと勝手ながら思っている。いよいよ約1ヵ月後に迫った『鈴鹿8耐』では、尻尾どころか追い回す存在になってほしい。そして今、彼の頭の中にはそのイメージがあるはずだ。

真剣な姿勢に学びながら、おっさんも成長させてもらえる。どの世界においても、極限で奮闘する姿をしっかりと観て感じることはいいもので、これは加齢によって研ぎすまされているだろう。ガキの頃と比べると確実に本物志向になっているじゃないか。日々学ぶ姿勢を大切にしたいものですな!!

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