定年後の男に学ぶ。

ZENさん先日、出版記念パーティがあり出席してきた。著者はZENさんで作品名は『ZENさんのでこぼこ一服帳』だ。へっ? ZENさんて誰? そう思った方が多くいらっしゃるだろう。それもそのはず、この作品が処女作である。

ZENさんは僕にとって大きな存在だ。出会ったのは1994年の春。あるバイクメーカーの広報や宣伝などを担当していて、仕事をご一緒する機会が多かった。何年か前に定年を迎えて、現在は企業の指導なんかしながら悠々自適(だと思われる)に日々を楽しんでらっしゃる。出会ったその瞬間から、職場を離れた現在に至ってもいまだに教えていただくことが多い。仕事についてはもちろろん、歴史や世界、日本文化、人類などなどのレクチャーを多く受けてきた。海外経験が豊富だからそれに基づいた知識も積み上がっていて、僕を中国やヨーロッパへと誘ってもくれた師匠と呼んでいい人物である。

またとても気さくな方で楽しいつきあい(大酒とカラオケ)が続いている。そんな彼が本を出版したのだからこんなにめでたいことはない。ならばと、著者を含めて4人という規模の、もしかしたら歴史上で一番小さい規模だったかもしれない(笑)出版記念パーティを開催したのである。

冒頭の挨拶からステキだ。ちょっと一服というときに読んでほしいからこのタイトルにした。そして“でこぼこ”と付けたのは、著者の興味関心を持った大小や、そのときの気分にでこぼこがあるためだとしてある。

珠玉のエッセイたちが踊るように続くこの一冊のテーマは、“しなやかに時代の風と戯れる”だそうだ。本人の許しは得ていないがいいだろう、原文を掲載させていただく。
〜人は生きてきた時代の荒波にもまれながらも、それぞれの個性と感性を生かし、自分の進むべき道を考え、多くの体験を通じて自分の歴史を刻んでいきます。それはすべての人間に共通のことです。人はそれぞれ“しなやかに時代の風と戯れ”ながら人生を築いていくのです。〜
しなやかさのない僕に突き刺さった言葉だ。

大企業の一線で奮闘し続けた男が、定年後にこうして一冊のエッセイ集をまとめるのはなかなかできることじゃない。印刷代などの安くない経費はすべて自分で負担して、一冊500円で販売している。これはすべてこちらのNPO法人に寄付するそうだ。本の内容だけでなく、まつわる諸々までもが自分のこれからのまるで手引きのようだ。

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2件のコメント

    • 浅野さん、ありがとうございます。
      今のところ、著者の知り合いに手売りです。在庫確認してみます。

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