野球に夢見た昭和40年男。

僕らの幼少の頃、野球は遊びの王様だった。地域によっての温度差はあるだろうが、少なくとも東京都荒川区のガキどもにとってはそうだった。小学生の低学年から夢中になったのは、近所のガキどもで集まり、ゴムボールとプラスチックバットで楽しんだ野球ゲームだ。やがて軟式ボールとグローブになり、放課後は公園をグラウンド代わりにしてプレーした。チームに入る者も多く、野球のうまいヘタは当時の僕らにとって男の価値を左右する重要なファクターだった。僕もそれなりに取り組んだが、いかんせん運動神経がよろしくなくて上達が遅い。だがその分練習には励んだ。墨谷二中の谷口くんほどのじゃないが、その量は我ながらずいぶん頑張ったと思う。

グラウンド
先日思いがけずこんな風景にふれることができ、あの日々を思い出したのだ。ポタポタと汗がこぼれ落ちる真夏のノックや、投げ込みに走り込み、まだまだ市民権があったうさぎ跳びなどなど、体がきしむような感覚を味わいながら歯を食いしばった。汗の量によってハイになっていたようにも思う。そして全力を尽くした練習が終った後の清々しさは、今もハッキリと胸に刻まれている。

厳しい練習はそのまま夢を見せてくれた。甲子園で投げて阪神タイガースに入団するなんて大それたことを考えていたのだから、つくづく大バカものである。でも、きっとそんな風に風呂敷を広げないとキツい練習に耐えられなかったかもしれない。

この写真は夕暮れ時で、頬を撫でていく風がまるであの日と同じように爽やかだった。あれからいくつの夢を掲げたことだろう。そして今はまったく別の類いながら、やはり無謀ででっかいのを掲げて今を生きている。何も変わっちゃいないんだなとニヤけながら、しばらくこのグランドにたたずんでいた僕だ。

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2件のコメント

  1. なぁ〜んや、タイガース希望だったんなら、クチきいてあげたのにぃ(笑)

    今まさに、甲子園は高校野球真っ盛り!
    それにしてもあの当時、土佐丸高校・犬飼小次郎の球は速かったよねぇ〜(≧∇≦)

    • もっと早く知り合っていれば口きいてもらって、そんで大活躍して今は監督だったかもしれませんね(笑)。

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