大阪ビルボードでゴダイゴの名曲「ガンダーラ」に酔った。

ビルボード大阪昨日は大阪のライブスポット『ビルボード』で、河口恭吾さんのライブを観た。ご存知(!?)のとおり『昭和40年男』が制作に参加させていただき完成した、昭和のテレビドラマに流れていた曲の数々をカバーしたアルバム『昭和40年男たちのメロディー』の発売記念ライブである。僕はビルボート大阪は初めてうかがったのだが、東京と変わらず素晴らしいハコだ。残念だったのは、会場を埋めたお客さんは女性が多く、ウチの読者らしき方はあまり見受けられなかったことだ。

開演の1時間前に開場となり、客はまず飲食を楽しむのがビルボードの過ごし方だ。フードメニューも充実していて、さすがエンタメの本場アメリカからやって来たハコである。出演アーティストにちなんだカクテルが用意されるのもおもしろく、この日は『ガンダーラ』という赤いカクテルと、『海を抱きしめて』という青いカクテルが用意されたのだった。

控え室を訪ね、開演前の河口さんと会う。これだけのいいハコを埋めた客の前で歌うのだと思うと、妙な気分だが人ごとに思えず緊張している僕がいた。まともな会話にならず、ひと言ふた言交わして最後に健闘を祈り、そそくさと控え室を後にして席に着いた。

いよいよ開演時間となり、ビデオが流れる。『昭和40年男』の創刊から、このアルバム制作に絡んだ経緯がまとめられたもので、なんとも不思議な感覚で眺めていた僕だ。短くまとめられたフィルムが終わるとバンドメンバーの4人と河口さんが登場した。6月3日にビルボード東京でも同じタイトルのライブがあるから、セットリストを書くのはやめておくが、アンコールまで入れて約80分のライブはとてもいい流れだった。素人の僕が生意気かもしれないが、バンドがスゴくよくまとまっているのは、個々の実力はもちろん、しっかりとリハーサルを積んだからなのだろう。リズムがものすごく心地よい。なんとも大人好みのビードがバシバシ打ち込まれる。せわしくなく、でもエッジがバッチリと立ったビートが終止気分良くさせてくれ、昭和40年男にはフィット感がすこぶるよい。いやあ、来て良かったと心の底から思った。

そして、収録曲以外にも僕らをターゲットした曲を途中に3曲混ぜ込んだ怒濤のリストだった。純粋に昭和を代表する名曲にバラエティ番組のエンディングナンバー、そして80年代初頭を象徴するような洋楽の名曲と、それぞれが意味のある選曲で河口さんのセンスを感じさせられた。なんだか曲名を明かしていないのが意地悪だが、東京の公演に来て楽しんで欲しい。

あたたかい雰囲気の中でアンコールとなりここでもう一発、アルバム収録外の曲で、僕からもリクエストもさせていただいた懐かしのアニメソングを1曲歌い、ラストはオリジナルで締めた。ここまでずっとカバーだったところに自作の歌がバッチリ響き渡り、ライブは幕を閉じたのだった。

1曲だけネタバレをさせていただくのは、タイトルのとおり『ガンダーラ』がすごくよかった。あくまで個人的な意見であるものの、アルバムアレンジでも「こうくるのか」とのプロの技を見せつけられ、あの難しいアレンジをどうライブで表現するのかと思っていたところ、これまたライブらしいビートをぶちまけてのスゴイ演奏を披露した5人だった。最新号で奇しくもミッキー吉野さんが登場していることもあり、ライブ終了後の控え室では河口さんに「ミッキーさんに聴いていただきたかった」と言ったほど、現代の『ガンダーラ』の仕上がりは素晴らしかった。

残念ながら読者さんに声をかけていただけなかったが、東京にはぜひ皆さんお越しください。特上の演奏を約束しよう。って、オレは何様だ(笑)。

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