『踊る大捜査線』監督、本広さんの言葉。

手前味噌だが、今回の『昭和40年男』もおもしろいぞ。懸命に踏ん張っているスタッフ陣が書き上げた原稿が舞い込んでくる度、疲れがすっ飛んでシャキッとさせてくれる。

待っているだけではない。自分でライティングを受け持つページもあって、これはまたカワイイものである。これまでにも強く記憶に残っているものが多く、今回担当した『踊る大捜査線』のタメ年監督、本広克行さんのインタビュー取材はまさに記憶に残る取材となった。

自分の業務と比べるのはおこがましいが、想像するに仕事内容は似ているはずだ。作品に関わるたくさんの情熱を1つの方向へとまとめ込みながら作品にしていく。最終的には己が信じた道を見出して邁進する切り込み隊長であり、そこには悩んだりくじけそうになったりすることもあるだろう。と、これは弱々しい僕の場合だが…。だがこんなに小さな世界での僕がそうなのだから、関わる人の数と予算が宇宙的スケールの『踊る大捜査線』のタクトを握るとは、どれほどの重さなのだろう。

どんな取材も皆さん忙しいなか時間を割いていただくので、当然ながら限りがある。だからページをつくる上での重要度を考慮して、設問項目に優先順序をつけて臨む。とくに今回のように公開を控えたタイミングでの取材となると、その作品の先取りみたいなことは絶対だ。加えて、タメ年としてこの仕事になぜ就き、どんな苦労を経て、将来どこへ進んでいこうと考えているのかは『昭和40年男』のテーマだから踏み込みたい。さらに話を聞きながらおもしろい展開を膨らませていったら、用意した質問の半分も消化しないうちにタイムアップとなってしまった。個人的に聞きたいけれど、優先順位としては低い、先に上げたようなことを聞き出すには至らなかった。それでも4ページに押し込むにはずいぶんと整理して、泣く泣く捨てざるを得ないくだりもあるほどの内容だったのだ。もったいないから発売後に、ここで補足していこうかなと画策していたりする。

発売前だが、スゴくいい言葉をもらったのでフライングしたい。「やりたいこととできることは違う」との言葉だ。あたり前のことだが深く頷かされた。そしてやりたいことだけやっていたらつぶれる。できることを探すべきなんだと本広さんは続けた。そうだなあと思い当たる昭和40年男も多いのではないだろうか。そこそこ経験を積んできた僕たちだから、ついつい自分の引き出しから引っ張り出して既定路線のまま進んでしまうことがある。実際ラクだし。でもできることを探すのが人間本来の生き方であり、前進の原動力である。タメ年監督の本広さんは、ファイナルを取り終えた今、まさにどん欲にできることを探しているそうだ。インタビューの日以来、僕の気持ちのなかにとどまる言葉になった。そんな彼の言葉はの数々は、4ページに渡って綴ったので、ぜひ目をとおしてくだせえ。さあ、いよいよ発売まであとわずか、作業も残りあとわずかじゃ。がんばっていくぜ。

ここでお知らせです。明日は、〆切作業まっただ中でどうにも抜け出せそうにありませんので、『浅草秘密基地』は残念ながら中止とさせていただきます。ゴメンナサイ。

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