朝の早い爺さんになってきた?

もうかれこれ、こんな〆切生活を20年近く続けていることになる。94年に創刊したバイク雑誌が、初めて自分たちの手から生み出したものだった。とはいえ広告部としての任務だったから、今ほどの原稿量を抱えたわけでなく、何十件の広告をデザインしてフィニッシュに持っていく程度だった。だがそれまでの仕事を一変させた、雑誌業務デビューだった。それ以来、業務範囲と雑誌の数が少しずつ増えていき、抜け出せるイメージが出来ない。まあ、天職だと思うことにしよう。

先週から泊まり込みの日が増えているが、貫徹はせずにキチンと3時間以上の睡眠は取るようにしている。もうずいぶんと続けている習慣で、朝9時半が始業の会社ゆえ9時起床から逆算して寝袋に潜り込む。だいたい朝5時過ぎになると就寝の準備に入り、6時前には深い眠りに就くようにしている。何かで見たのは1時間半周期がいいとのことだったから、その次の4時間半はもったいなくて、3時間キープをしているのだ。先週からこんな生活を続けているが、今のところ絶好調である。

ところが微妙な変化が出ている。これまではとにかく朝9時が起床のリズムだったが、ここのところ泊まり込むと1日ごとに前へずれる兆候が出てきた。夕べは3時過ぎに寝袋に潜り込み目覚ましを6時半にセットするまでにずれていて、これはひょっとすると“朝早い爺さん現象”が始まったのではないだろうか。白髪、薄毛、老眼、血圧、ガンマ、血糖値、尿酸値、身長縮小に続いて、またも老化現象なのか?

だが、誰もいないオフィスでスイスイと作業がはかどった。このパターンはいいかもしれないなと調子に乗っていたら、9時前に電話が鳴った。おお、早くから始業しているクライアントさんがいるんだなと、元気に電話を取った。
「ハイっ、プランニングボックスクレタです」「おはようございます。○○の××と申します」「おはようございます。お世話になっております」「投資商品のご案内なのですが、北村様おいででしょうか」
なんで名指しなのだろう、聞いたこともない会社名なのに。とっさに「ただいま外出しています」と答えてやり過ごそうとしたが「お戻りは」と聞かれ、モゴモゴしながら「本日は終日外出となっております」と続き、しばらくの問答になった。僕の所在を話題にして僕自身がウソをつくという、なんともイヤな役回りになり、せっかくのいい気分が台無しになってしまい、気を取り直すのに若干の時間を要したのだった。朝のホンの一コマであるが、〆切作業中の僕には貴重な時間なのだよ。明日は電話が鳴りませんように!! さあ、もうひと踏ん張り、今宵もスイッチを入れるぞー。

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