「金鳥の夏、日本の夏」に引っ掛けた今日のタイトルですが、シンプルながらこれ昭和の傑作コピーですな。そう、1980年前後からコピー文化が全盛となり、糸井重里さんらコピーライターはかっこいい横文字職業のトップランクに位置していた。僕もな〜んにもわかっちゃないくせに憧れたっけ。でも金鳥のコピーはそれ以前だし、ガキの頃の俺たちにとってブラウン管の中にはズバッと言いあてたいいコピーが多くあった。「大きいことはいいことだ」「お正月を写そう」「おせちもいいけどカレーもね」「クリープを入れないコーヒーなんて…」「愛のスカイライン」「ハヤシもあるでよ」「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」「じっと我慢の子であった」などなど、挙げていったらきりがない。中でも記憶に強く、親父がこよなく愛したコピーが「男は黙ってサッポロビール」だった。うーむ、深い。現代人には「わかるかなあ、わかんねーだろうなあ、イェー!!」の世界である。
で、本題。ここのところ「委員長、さぶいですね」と、ついつい『750ライダー』ワールドを演じてしまう。北の方々には笑われてしまうかもしれないけれど、寒いっ。が、江戸浜松町には強い味方がある。創業寛永三年の「更科布屋」さんが誇る、親子かきたまじゃーっ。つい先日も、舌を火傷しそうになりながらこいつを頬張って冬に立ち向かったのさ。
これまた親父と繋がっていくのだが、これが好物でよくすすっていたのを思い出す。我が家は電気屋を営んでいたから、お袋も仕事に駆り出されて土曜の昼は店屋物なんて贅沢ができたこともままあった。東京荒川区の知られざる町中華の名店「ハルピン」が僕と弟の希望なのだが、両親はいつも電化製品をご購入いただけるからと、同じく中華で最近はギガ盛りでちょっとした有名店の「光栄軒」を推す。そしてさらに、親父の好物はなんてったってそばだ。我が家の並びにあったそば屋を親父は「並び」と呼び、「今日は並びにしよう」と言うと、僕らブラザースはちょっとしたハートブレイクホテルな気分だった。ガキにはそばの侘び寂びより中華のダイナミクスが魅力で、両名店でも「ハルピン」支持だった。
で、冬になると親父はかきたまそばをよくオーダーしていた。そしてやはり、その息子も冬になればこれで決まりなのだ。昭和文化は受け継がれるのですな。それをガッチリと支えてくれる「更科布屋」さん、今回もおいしゅうございました。おっさんの冬は、これで決まりさっ!!
昭和40年
おっさんか
おっさん呼ばれ寂しいなあ