小さい秋見つけた。

名曲ですなあ。ガキの頃ダークダックスが歌っているのを見てえらく感動したっけ。その後には、安全地帯のライブで玉置浩二さんの超絶な歌唱を聴いて、これもえらく感動した。余韻の中で「恋の予感」につなぐのがかっこよかったなあ。玉置さんは童謡っぽいエッセンスを入れ込んだメロディをよく聞かせてくれる。「碧い瞳のエリス」のAメロとかすばらしいですな。

 

先日教えてもらったのが、まさしく小さい秋を見つけた気分にさせられた写真のほうきぎ (コキア) で、その名のとおり “ほうき” になるそうだ。こんなにかわいらしいのを、お恥ずかしいことに56年の人生で知らなかった。知ると意外に多く見られることに気がついたりしている。まだ赤くなっていない緑のものや、ものすごく大きいものもあることをあらためて知り、好きな植物の仲間入りを果たしたのだ。

 

昔、仕事の先輩から「世の中のことを1%知ってるやつがいると思うか? いないだろう。だから知らなくてもいいんだ。打ち合わせで知らないワードが出てきたら遠慮なく聞いていいんだ。ただし、同じことを2回聞くのはやめろ」と説教していただいたことがある。まだ広告代理店勤務の小僧時代に、ストンと入り込んだ金言だ。今もこの教えを守っているつもりだが、物忘れがひどくなっていて困る。

 

知るという意味を、デジタル社会は変化させている。携帯を文字どおり携帯する社会では、暗記することの価値が以前より低下しているようにも思える。であればその分、思考力を上げるべきなのだが現代社会はどちらかと言えば逆行している。昨日、眞子さまと小室さんの会見を受けた辛坊治郎さんの発信が言い当てていた。「この日本の言論の劣化をなんとかしないとホントマズい」と。さらに「嘘しか書かない週刊誌やネットの書き込みを信じてる連中がいかにアホかと」「今進行中の選挙における各党の演説内容も、最近どんどんネットの書き込みレベルになっている」と続けたそうだ。激しくシンパシーで、『昭和40年男』の連載特集「ガツンとひと言。兄貴の説教」で吠えていただきたい。

 

知識にしろ知恵にしろあるに越したことはないから鍛えるべきなんだな。そうだ、知の冒険は常に心がけたい。物忘れはひどくなっているものの、以前読んだ本『海馬 -脳は疲れない-』によると、そんなこっちゃないと勇気づけてくれる。そうだよ、生涯学習だぜ。ほうきぎでいささか大げさながらそんなことを深く考えた56歳だ。
 

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