30歳になった息子。

今日より暦の上では春だ。同世代諸氏よ、明るい色のフンドシに締めなおして頑張りましょう。立春の今日、2月4日は僕にとって大切な日でもある。昨日は深夜にその主役と盃をかわした。

30年前の今頃、僕はバンド仲間の家でまだ眠っていた。前日に今も続く目黒のライブハウス『ザ・ライブ・ステーション』に出演して、当然のごとく朝までの打ち上げがあり、メンバー全員がベース宅で雑魚寝していた。起きるとギタリストが大変なことになっていて病院に運んだ。大事には至らずベース宅に戻ると、今度は僕が大変なことになった。ガキが生まれたのだー。

駆けつけた病院のガラス越しに面会した息子はビービー泣いていた。僕は抱きかかえてガラス越しの近くまで来てくれた看護師さんに、もういいですよ、ベッドに戻してやってくださいという仕草をした。と、いろんな場面がハッキリと思い出せるのはこの日の強い喜びのおかげだろう。僕の人生においてこれ以上の日はない。

残念ながらその後子宝には恵まれず、弟がいないのは少々申し訳ない気持ちがあるが仕方なしだ。コウノトリさんが来てくれなかったのさ。それにしても30歳とは。そしてそのだらしなさときたら自分が30歳の頃と比べたら…、まっ、大差ないかな。

自分の30歳を振り返ったりもしている今日だ。ひとつの壁を乗り越えるため、誕生日直前に高知を訪ねた。大好きな坂本龍馬を始めとする幕末の英傑たちの足跡を巡ったのだ。初めての四国だったが他県には行かず、ただひたすら土佐藩の史跡を巡った旅は自分に大きな力を与えてくれたのだった。

愚息は今日をどんな気分で迎えているのだろう。仕事は休めないと言ってたからただ過ぎ去ってしまうのかもしれんが、できれば一歩踏みとどまって人生ってヤツを考えてほしいと願う。いくつになろうと息子は息子で、あの日ガラス越しに面会した愛おしい気持ちは変わらない。夕べは夜が遅すぎてあまり語り合えなかったが、近々じっくりと呑りたいものだ。そして今宵は想い出の旅をしながらグラスを傾けることにしよう。

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2件のコメント

  1. 父親の称号頂いた日おめでとうございます(^^)v
    いつになったら孫自慢出来るかねお互いに(^^;

    • 遅ればせながらありがとうございます。
      その日が待ち遠しいですねえ。うちはそんな様子はまったく感じられません(泣)。

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