真夜中のダンディ。

山菜最終電車はもうとっくに行っちまった。さっきまでごった返していたおっさんの聖地に人はまばらで、片言の日本語でマッサージやもう一杯呑もうと嫌気がさすほど声をかけられる。うんざりしながら振り払って進む。会社まで一駅分歩いて帰ろうとするその途中にワナが仕掛けられていた。マッサージの誘惑には完全勝利する僕だが、コイツの誘いにはからっきし弱い。看板には天玉そばが大書されてありしかも温泉卵ときた。それで410円はなかなか良心的だななんてニヒルに笑いながら入店しちまったダンディだった。

夜10時以降4時までの食事は極端に太る。そんな記事を読んだばかりでやめることを誓ったばかり。去年、50歳の誕生日をターゲットにして高校時代の体重にリセットさせたのに、最近やや上昇気味で気を引き締めたつもりの僕を酒がダメにする。この日は久しぶりに従兄弟と会った。肉親だからこそ話せることが多くありついつい酒量が増えてしまった。タクシーで帰れる彼はさっさと右手を上げて僕を置き去りにして、前述のシーンだ。

「いくらなんでも天玉そばはないな」と、深夜の一杯に臨むってのにビビリが入り山菜そばを頼んだ。後から入って来た客引き風の兄ちゃんは天玉そばをベースにいろんなものを乗せて650円も払っていた。強者である。「山菜そばお待たせ」と声がかかり460円を払った。「な、な、なにーっ、揚げ玉が乗っちゃってるじゃないか。だったら天玉そばにすればよかった」と若干の後悔をしながらすするとうまいうまい。昔懐かしの正しい(!?)立ち食いそばだ(座れるけど)。会社から歩いて30分かからないこの街で24時間営業はまずい店を知っちまった。いわゆる大手チェーン店でなく、僕好みの店だった。

さっ、毎度の不親切ガイドとさせてもらおう。以上からここを探しだすのじゃ、同世代諸氏よ!!

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2件のコメント

  1. 店名がめでたい感じのところかな?
    そうならオッサンの街のほか、神田や御徒町にもありますね(^^)

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