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昭和40年男の贅沢とは46分テープなり!!

2014 年 2 月 12 日 プロデューサー コメント

昨日ここで、レイジーの『宇宙船地球号』についてふれたところ、多くの方から声を寄せていただいた。あのアルバムがタメ年たちを中心とした同世代にずいぶんと浸透していたようで、思っていた以上の反響に少し驚いている。うーむ、さすが高崎晃先生だ。

TDK SAさてさて、昨日書きながらもう1つ思い出したのが46分テープの思い出だ。当時の僕らにとって、カセットテープは決して安価なものでなく、でもエアチェックやレコードを録音するのに欠かせない重要ツールだった。全国区の製品だかわからないが、すぐ伸びてしまうBONテープから、TDKやマクセルの、それぞれランク分けされたテープの数々をいかに使うかは、試行錯誤の末の結果だった。BONテープはAMラジオを録音して、何度も録音を繰り返して使い倒す。加えてTDK派の僕はDを通常録音に、ADを永久保存(!?)録音にして使い分けていた。写真のSAなんてもうレコードを買うかどうかすれすれまで悩んだ作品を録音する最高級品で数本しか持っておらず、メタルテープなんざ高校時代は1本も購入できなかった。よって、日常的な高級品として位置するのはADで、これにもランクをつけて使い分けていた。90分と46分で、当然ながら90分テープの方がコストパフォーマンスは高い。同じミュージシャンのアルバムを2枚丸ごと録音したり、2枚組だったりすると1本でステキな仕上がりになるものの、やはりこだわりたいのは46分テープでアルバム1枚を録音して、A面ラストはしっかりと中締めを味わってからカセットをひっくり返し、B面頭ではキチンと第2章を味わう。さらにB面ラストのクロージングを楽しんで、レコードを聴いているような感覚を得る。これぞ貧乏人にとっての日常的な贅沢だった。

さらに雑誌『FMステーション』のカセットレーベルを使い、インレタで曲名を張り込んだり、色さまざまなマーカーで下手ながら真剣に曲名を書いたりと、カセットテープの仕上げに工夫を凝らしたものだ。こうしてまるでパッケージのごとく作りこんで、大切にコレクションしたテープの数々を何度も聴き込んだ。昭和40年男なら誰もが体験した行為ではないだろうか。

携帯の中に何曲でも入る現代の方が、音楽に容易にふれられて便利なことは言うまでもないが、こうした面倒な環境で音楽と対峙していた時代を楽しんだ経験は決して悪くない。アナログが最高の音質に登りつめた証人であり、後にデジタル時代へと突入して右往左往するのをリアルタイムに見てきた僕ら世代だからこそ、音質への深い執着がある。少ない予算とのせめぎ合いのなかで、少しでもいい音で音楽を聴こうとした努力は、今に脈々と繋がっている。『宇宙船地球号』をCDであらためて聴き、やはり高崎さんのインストナンバー『遥かなるマザーランド』はA面ラストでなくちゃなんて感想をもらすのは、当時贅沢の46分テープに録音したからこその感覚だ。ああ、懐かしのカセットライフである。

 

 

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    あらこ
    2014年 2月 12日 23:40 | #1

    一本だけ、MA-Rを持ってました。こっちはラジカセしか持ってなかったので無駄の極地でしたが、所有欲は満たせましたね~。手に持つだけで、あの重さを感じるだけで、所有しているという満足感。

  2. おおーっ、MA-Rですか。ちょいと調べたら、当時46分で1,750円もしたとのこと。それでラジカセとは、まさに昭和40年男的な所有満足度だけを優先した消費行動ですな(爆笑)。

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    プロデューサー
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    平成乃昭和
    2014年 2月 13日 18:45 | #2

    わたしもTDK派でしたね。
    当時、大枚はたいてメタルを二本のみ所有。w
    クロムにメタルという言葉が懐かしい。
    そしてテープ時代の最後に来たのが太陽誘電。
    あぁ懐かしい。
    おぉ懐かしい。

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    平成乃昭和
    2014年 2月 13日 18:48 | #3

    メタルの骨組みとそのシースルー、まさにスケルトンぶりがカッチョ良かった。
    あと斉藤由貴だったかなぁ?axiaのコマーシャル。
    あれもスケスケ具合が斬新だった。

  5. 僕の周囲はTDKとマクセルで割れていて、ソニー派も結構いた気がします。axiaはほとんどいませんでしたが、そんなおいしいCMありましたっけ?

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    プロデューサー
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    オオサカ☆ヤザワ
    2014年 2月 13日 20:31 | #4

    きっちりジャストの位置から録音するために、あらかじめ指で黒のテープ録音部分をヘッド位置まで持ってくる技術。
    永久保存のため、ツメをキレイに折る技術。
    そしてまた上書きするためにツメの部分にセロハンテープを貼る技術。
    もうひとつオマケに録音ボタンを押す際、赤のと黒のをストレートの握りで同時に押す技術。

    ・・・これらの職人技を伝承することは、もうないんよねぇ~

  7. もったいないですね、匠の技が途絶えてしまうのは(笑)。

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    プロデューサー
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    DJ OGI
    2014年 2月 13日 21:07 | #5

    45分テープもありました・・・・ 
    CHF BHF AHF 本屋さんで買ってました。なぜかジャンルでタイプを変えろと・・・
    http://compactcassettes.jp/sony/sonychf011.html
    DUADのフェリークロムって何?って思いましたけど・・・・
    確かにオートリバースが出る前 
    最高90分 最長で150分 曲の取捨選択
    A面とB面を変えるタイムラグを考えて構成を悩みました。
    今じゃMP3で何曲でもokで
    当時はテープの分数を考えてA面B面のタイムラグがないように編集 DOLBYやdbxも考えて
    テープ1本が作品でした。
    それをナショナルのGO で聞いてました。 カセットテープの話揚がります。

  9. さすが、後にDJをやる人間は違いますね。僕は編集をあまりしませんでしたもの。でもあの作業って、助手席のオンナの子対策ために頑張るんでしょ?

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    プロデューサー
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    忍の後輩
    2014年 2月 13日 21:58 | #6

    ひそかにDENONが好きでした。
    あと手元にあるマイナーなところでは、COLUMBIAとFUJI。
    ラジオを録音したのが入ってます。

  11. 渋いところつきますね。ところでDENONていつから「デノン」と呼ぶようになった? 僕らは「デンオン」と発音してましたよね?

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    プロデューサー
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    忍の後輩
    2014年 2月 14日 20:18 | #7

    間違えて「デノン」と言ったヤツをバカにしてたものですが、それが正解になってしまうのだから世の中は分からない。「40年男」を「40 としおとこ」と読む人は・・・いないか。

  13. ですよねっ。
    ある日のぞいた音響専門の店で「デノン」と言われたときに、ここはおかしいと逃げた僕です(笑)。

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    プロデューサー
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    ADAKEN
    2014年 2月 14日 22:07 | #8

    CDが出る前後辺りから54分テープを頻繁に使うようになった気がします。ちなみに私はソニー中心からTEACに乗り換えた口です。

  15. そう、あの頃から急激にいろんな時間テープが増えましたよね。54分、あったあった。

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    プロデューサー
  16. 2014年 2月 14日 23:32 | #9

    カセットテープ自体がもうほとんど種類がなく、音楽用の安定した出力のテープは絶滅状態です。

    過去に買って来たカセットテープをじっくりと使い回しながら使ったりしていますが、やっぱりメタルテープの音の厚みの差は凄いです。

    学生の頃は2ヘッドのカセットデッキで、自分の好みの音質になるテープはどれかよく聞き比べたりしていました。
    個人的には高域が際立ったマクセルが多かったです。

    特殊な奴ではオーカセなども。
    カセットテープをオープンリールのように取り替え出来て、さらに多くを持ち運べるようにとデザインされた特殊な奴でした。
    こんな感じのテープです。
    >http://blogs.yahoo.co.jp/snow_torajima/22498996.html

    少し前まではステレオマイクロカセットも使って楽しんでいましたが、経年劣化によるノイズなどが発生し始めたのでマイクロカセットは使わなくなりました。
    しかしこんなにちっちゃなマイクロカセットのメタルテープでも、マイクロカセット用カセットデッキ
    で録音すれば、これが以外と聴けちゃいました。
    ただ、マイクロカセットの小型機は音質はとてもカセットテープの音質には及びませんでした。

    寝付けない時には、カセットウォークマンで音楽を聴きながら横になると、1曲の途中で眠る事もしばしば。
    シリコンオーディオではこんな事はあまりありませんので、カセットの音質には何かあるかも?

    ところでナカミチのカセットデッキにMetalマスターは、最上級の贅沢だったかも。(今でも贅沢ですね)
    価格が高かっただけにメンテナンス費用も凄いみたいです。

  17. 素晴らしいコメントをありがとうございます。
    アナログの音の厚みを、現代人(笑)に力説してもただの懐古主義といわれてしまうことがしばしばあります。昨今の音作りがそこへと回帰していることを理解してくれと言っても、それ自体の良さを知らないのだから仕方ないですよね。僕はテープ再生の環境はあまりよく整っていないのですが、アナログ盤には力を入れてます。至福ですよ。

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    プロデューサー
  18. 2014年 2月 15日 17:43 | #10

    アナログの何が魅力かって言う事になると、機械で直接音を奏でる所が目で見えるって事でしょう。
    レコードなら板が回転、針がトレースし、音が出る。
    カセットならテープが進み、カセットの中身が動いているのが解ります。
    これがデジタル化されたファイルだとしたら、何の面白みもなくて選曲もボタン一つですから、メカニカルな楽しみが無いのでガッカリしています。

    私が一番主張したいのは、アナログだろうとデジタルだろうと、音楽は身体で聴く事こそ良いと主張しています。
    音楽の振動が直接身体に伝わる事で、ヘッドフォンでは感じられないものがあると思います。
    かなり以前に、探偵ナイトスクープという番組にてワインに大音響のライブを聞かせると味が変わるのか?と言う事を検証し、確かに味が変化したとソムリエも認めた事があったくらいです。
    多分デジタル音源でも変わるかと思いますが、アナログとデジタルでは本当に差が出るのか気にはなります。

    話がとんでもない方向へ書いちゃいましたけど、便利な世の中にこそアナログな不便を楽しむ事があってもいいじゃないか、常々そう思いますので特にカセットネタには敏感に反応させて頂きました。

  19. 2014年 2月 16日 09:15 | #11

    こんにちは。
    カセットテープの話は盛り上がりますね(^o^)
    私はTDK、AXIS、マクセルが多かったです。
    マクセルの高いやつ(金ピカのUDⅡよりももっとハイグレードのもの)が
    いちばん欲しかったんですが、高いので、
    80年代前中半はTDK 、後半から90年代はAXISあたりに落ち着くこと多かったです(笑)

    お知らせといいますか、ご了解を得るのが遅くなってしまいましたが、
    VOL.23「オレたちシティポップ世代」の中の対談記事の一部発言を
    当ブログに勝手ながら引用という形で掲載させていただきました。
    もし不都合がありましたら、削除させていただきますのでお申し出くださいませ。
    http://manasavvy.blog42.fc2.com/blog-entry-318.html
    ブログの方も、なぜか自分と同年代男性との架空の対談という形にしております(妄想力が激しいんです笑)

    今号の対談内容は自分が常日頃思っていることと一致する部分が非常に多く、
    こんな大御所、スーパースターの方が、一ど素人の自分と似たようなことを考えておられるんだなあと
    逆に驚かされました。
    山本達彦さんのお言葉にもあるような今後の展開になること、私も期待しております^^
    今号は、その他の内容もとても楽しかったです! (〃∇〃)

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    かせまに
    2016年 9月 13日 14:16 | #12

    僕はいろんなメ-カ-を聞きましたが太陽誘電のthatが好きでしたね。

    ナカミチのカセットデッキで聞いてもtdk以上でしたよ。

    特にメタル素材系統のカセットは絶品でしたよ。

    tdkと同じくデッキによる音質の差が少なくさらに高音質でしたよ。