脚気(かっけ)は過去の病気?の巻

脚気というと、大昔の病気で現在ではあまり罹ることのない病気と思われがちですが実は重症に至らないまでも、その予備群が結構いると知って驚きます。その罹患の主な原因はビタミンB1の欠乏とアルコールの過剰摂取です。まだ今のように医療の技術や知識が進歩していなかった江戸時代から、明治、大正の頃には、玄米の代わりに白米を好んで食べるようになったことで大勢の人がビタミンB1の欠乏による脚気に苦しめられたそうです。ビタミンB1の欠乏だけで? とあなどるなかれ、現代よりも副食が乏しかった時代ですから他の食品から得られる栄養素やビタミン類も少なく、一度病気に罹ると回復に必要な免疫力や体力もなくなり病状は進行。心臓機能が低下し、心拍数の増加、手足のむくみ、胸水がたまるなどの症状が現れると、脚気衝心(かっけしょうしん)が出ることもあり、心不全で亡くなる…という最悪の事態になります。現に、大正時代あたりまでは、結核と並び死に至る2大国民病とされ恐れられていました。

診断のひとつとして、末梢神経障害の有無を調べるため、膝をハンマーでたたく膝蓋腱反射のテストを行う。正常なら反射的にひざから下が動くが脚気の場合は動かなくなってしまう。

現代ではその原因も治療法も解明されているため、もし脚気を発病してもきちんと治療をすれば脚気単独の病気だけで死に至るということはまずないでしょう。しかし、糖尿病の人工透析よるビタミン喪失が多い人やアルコール依存症などでビタミンB1を大量に消費する人は脚気を起こしやすく治りにくいとも言われています。単独での発症より、もともとの持病がきっかけで発症するというパターンが多いということは、そういった持病を抱える多くの人がその予備群であることを示しています。ビタミンB1が不足しないように気をつけても、通常の消費量以上に消費してしまって不足の状態に陥ってしまうので完治までには時間がかかるようです。また、このビタミンB1は水溶性のため食品に含まれていても調理段階で失わやすく、たくさん摂っても排泄されてしまうため一度に大量に摂取しておくことができないという性質があるので、毎日必ず少しずつ補っていかなければならないビタミンなのです。

1970年代頃にはインスタント食品や加工食品が数多く出回り、若い人を中心に人気となりジャンクフードがもてはやされ、一時、脚気の患者が増えた時代もあったと言います。決して遠い昔の病気ではなく、現代でもリスクファクターを抱えている人にとっては併発する可能性のある病気なのです。症状の初期にはイライラ、倦怠感、食欲不振があり、全身がだるくなり、特にに下半身に倦怠感がでるそうです。病状が進むと次第に足のしびれやむくみ、動悸、息切れ、感覚の麻痺などの症状があらわれ、さらに進行すると手足に力が入らず寝たきりになってしまうことも。急激な悪化症状を呈さないため、気がつかないうちに進行してしまい重症化することがないように、糖尿病の人や、お酒を毎日大量に飲む習慣がある人は気をつけたいものです。

ビタミンB1を多く含む食材を知っておこう

ビタミンB1は、玄米、豚肉、うなぎ、豆類、卵などに豊富に含まれています。普通に摂取しやすい食材ですので、健康な人であればめったに不足することはありませんが、とりあえず知っておいて損はありません。また、ビタミンB1の吸収を高める成分であるアリシンが豊富な玉ねぎ、にら、にんにく、ねぎを食材に加えて摂取するとさらに効果的だと言われていますのでぜひ参考にしてみてください。

市販のサプリメントなでビタミンB1を補給

忙しい時などは、食事から十分なビタミンB1を摂ることは難しいこともあります。そんな時は、ビタミンB1が含まれたドリンク剤やサプリメントを服用してみるのもいいでしょう。ビタミンB1は身体に吸収されにくい(排泄されやすい)特徴をもっているので、身体への吸収率を高めたビタミンB1誘導体が含まれる医薬品で補うとより効率的です。過剰に摂取しても、前述のとおり体外に排泄されやすいため、特に問題はないのですが、まれに頭痛、いらだち、不眠、速脈、脆弱化(ぜいじゃくか)、接触皮膚炎、かゆみなどの症状が出ることもあるそうなので、そういった場合は摂取量を減らすなどして様子をみてください。

ビタミンB1不足による疾患には、脚気以外にもウェルニッケ・コルサコフ症候群という中枢神経が侵される障害を引き起こす怖い病気もあるそうです。アルコールを飲む時はナッツ類や枝豆、チーズなどのおつまみをプラスしてみましょう。ビタミンB1は糖質をうまくエネルギーとして働かせてくれるという重要な役割を担っていますので、不足すると疲れやすくなるというのがその仕組み。まさか自分は脚気に罹らないだろうという油断も禁物です。これといって思い当たるふしがないのに身体が妙にだるい時はビタミンB1不足かもしれませんので上記食材を意識して補ってみてください! 

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