大阪のオカンが好きだ 〜大編集後記。

 

発売直後の月曜日だ。週末は家から一歩も出なかったという方は、今日必ず書店に行ってくれ。ギッシリと詰まった特集はズシリと重いはずだ。てな訳で、最新号の解説となる大編集後記といかせていただく。

 

いきなり脱線ゲームだが、僕が大阪に移住したのは昭和60年のこと。憧れの地だったから時間はそれほどかからずに馴染めた。すぐに大好きな街になり、いっぱしにヘンテコな西言葉を使うようにもなった。向こうのライブハウスに出演して喋ると「言葉が変やで〜」とお客さんにからかわれたりしたものだが、そのヘンテコな言葉を使い続けた。知らない土地での礼儀なんだと、懸命に下手くそな大阪弁を使ったものだ。

 

住む前に大阪のリアルを『じゃりン子チエ』で予習していたのは助かった。そして向こうに住んで感じたのは、この作品は大阪を本当によーく表現しているなと感心した。住んでみて作品が前より好きになったし、テツに感情移入した。そしてその母、嫁、娘という浪速の女たちのそれぞれキャラたちも以前より愛したものだ。

 

その母と嫁がランクインして、この作品のアニメ版でチエを演じた中山千夏さんに話を伺って記事を作った。同行したかったのだが残念ながら日程が合わず、誌面だけでの接点になったが、僕の作る本にご登場いただけただけでも十分に嬉しい。彼女には浪速のオカンについてしっかりと本音を語ってもらった。関西人のみならず、テレビだけの関西しか知らない諸氏は必読である。

 

さて、購入した方でこの辺のページまで読み進めていただけると、今回の特集の見事な(!?)仕掛けをおわかりいただけるはずだ。各紹介記事にはランキングのアイコンがあり、ページ下部には今回の5つに分類した母親のタイプをデザイン処理した。その色も、冒頭のページと合わせてあり、だからなんだと言われると内容とはそれほど深い関係ではないかもしれない。だが、全体の統一感やページを進めていくおもしろさは感じていただけるはずだ…。はずですよね…。もしかして無駄な努力でした? でもね、無駄でもいいんだ。こういう仕事が好きなのさっ!!

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