ドリフターズ vs 小松政夫。

7月11日発売となる、カワイイ最新号が手元に届いた。11日発売の本が5日も前に届くというのは、このスピード社会になんともやるせない話だが、ちょいと説明すると、僕ら雑誌の世界はいまだ問屋さんが絶対的な存在だからだ。これはいろんな背景があって、いつか機会を見てじっくり書こうと思うが、その問屋さんに納品するのが中2日という約束になっている。たいがいの出版社は中1日なのだが、うちは以前納期遅れをやらかしたことがあり、そのペナルティで中2日を強要されているという、なんとも情けない話なのだ。さらに日曜日はカウントから外される。さらに今回は、例に漏れず電力節約の命を受けた問屋さんがこの土曜日を可動停止日にした。つうわけで、こんなに早い完成となったのである。前号のゴールデンウィーク進行ほどでないにしろ、厳しい進行となったというわけさ。

届いたかわいい分身の、まずは表紙を眺める。今回、ロゴタイトル周りに、ひとつ大きな変化をつけた。意外とわからないかもしれないな。そして中央には特集タイトルである、“今こそ笑え!”の文字がドーンときている。メインを飾った写真は、ドリフターズの『8時だヨ!全員集合』でのカットと、小松政夫のシラケ鳥のカットが華麗なる競演を演じている。

小学生の頃、運動神経がよくない僕が唯一輝ける舞台がお楽しみ会であった。僕は仲間を集めてお笑いネタを懸命に演じた。脚本を書き、練習を繰り返し、燃え尽きるほどがんばった。そのネタ元は常に『8時だヨ! 全員集合』であり『みごろ! たべごろ! 笑いごろ!!』であり、もっとも多く演じたのは『東村山音頭』と『電線音頭』だろう。今さら考えると、ただパクっただけでお笑いを演じたつもりになっていた馬鹿野郎だが、当時の一生懸命さは忘れない。

そして30年以上のときを経て、かつて散々お世話になった方々を、自分の商品の顔にしているのだ。僕らにとって、表紙が持つ使命は1にも2にも手に取ってもらうことである。メジャーになって雑誌名だけで手に取ってもらえるような存在になれば、その意味は変わってくるかもしれないが、創刊間もない僕らにとってはとにかく手にしてもらい、開いて眺めてもらい、どこでもいいからちょっと読んでもらい、値段を見て「この内容でこの値段ならいいか」と、レジに運んでもらう。長い長いアクションを経て、やっとこさご購入となるのである。そのファーストコンタクトはとにかく表紙であるのだ。先のアクションを経て購入いただくのだから、多くの人に手にしてもらうことはそのまま販売部数につながることはいうまでもない。1万人の人が手に取ってくれるより、100万人の人が手に取ってくれる表紙をつくった方がいいに決まっている。もちろんそこではターゲッティングが大きな問題になる。AKB48を表紙にして手に取ってくれる100万人より、ドリフで手に取ってくれる100万人の方が購入にいたる確立は高いことはいうまでもない。今回の2組はターゲットにドンピシャのはずだ。“笑い”をテーマにしての『昭和40年男』をつくるのにこれ以上の組み合わせはない。ベストである。しかもっ!! 今号は小松政夫さんのロングインタビューに成功したのである。内容は当時を懐かしく感じられる素晴らしいもので必見だよ。

今日問屋さんに届けられた『昭和40年男』の8月号は、トラックに乗せられて順次全国へと旅立っていく。がんばるんだぞ、カワイイカワイイ分身たち。全国の昭和40年男たちにかわいがってもらうんだぞー。発売まであと5日だ。

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