誕生!昭和40年『チョコベビー』

誕生! 昭和40年 born in 1965

昭和40年に生まれた、いわばタメ年の商品やサービスを我々の思い出と共に紹介する連載記事である。今回は、小粒のチョコレート菓子で、透明容器から見える粒の数だけたっぷり食べた気にもなれた『チョコベビー』だ。

昭和40年発売当時から容器は透明で内部の粒チョコが見えるもので、現在のデザインと基本的には同じだ。96年秋からは粒の一部に☆模様が、翌年からはスマイル模様が入れられていたが、残念ながら2010年に終了している
☆模様のチョコベビー
スマイル模様のチョコベビー
90年発売の『イチゴチョコベビー』(販売終了)は、粒々の色も魅力的だった

この数年、“脱ゆとり教育”と言われているが、昭和40年男が小学生の頃は、脱ゆとりどころか土曜日にも授業があり、なおかつ宿題もどっさり出され、塾へ通う児童も増えつつあった。だからこそ、ゆとり教育はうらやましくもあったのだが、そんなハードスケジュールのおかげかどうか、限られた時間のなかで、飽きるのを我慢しつつ宿題をこなしていく知恵だけは付いた。
 そんな時、大切なエネルギー源となり、気晴らしにもなったのが菓子類であるが、なかでも小さな粒のものは、少しずつ食べられるので“ながら食べ”にもちょうどよく、最良のパートナーであった。そんな粒菓子で、ひと粒が1㎝にも満たないものが透明の容器に数え切れないほど入っていて、食べる前からワクワクする楽しみをくれたのが、昭和40年11月5日に明治製菓(現・明治)から発売された『チョコベビー』だ。
 同社からは、1961年にカラフルで少し硬めの砂糖の衣に包まれた『マーブル』が発売されていたが、その食感が苦手という大人たちの声もあったという。そこで同社は、少し上の年齢、中学生ぐらいをメインターゲットに絞り、さらに大人も満足させられるような商品を目指す。そして誕生したのが、小さな俵型ミルクチョコの『チョコベビー』だった。

一度に5粒じゃ足りず10粒20粒と…。

 粒自体は、現在の商品を計っても長さ7㎜・直径5㎜程度でとても小さいが、ひと粒でも口溶けよくチョコレートの味がしっかりする。開発時は、このひと粒の大きさを決めるため、見た目のかわいさ、つまみ具合、食べやすさを、何人もの子供たちを対象に調査し、決定したのだとか。当時は同種の商品がなく売れるかどうかわからなかったため、設備費の確保に苦労したそう。そこですでに販売していたタバコ型チョコの製造設備を利用することにしたことで、丸みのある俵型になったという。
 この粒、開発時は一度に5粒程度を口に入れる想定だったというが、筆者は小学校高学年ともなると5粒では物足りず、ついつい10粒や思い切って20粒も出して、ひと口に食べていた。小粒であったため、ちょうどいい具合に口全体にチョコがいきわたって満足感がより一層高まったものだ(同じような子供も多かったのか、88年にはジャンボサイズも発売されている)。そのおかげかどうか、勉強のストレスも軽減され(?)、宿題がスムーズに終わったことも度々だった。
 そんな記憶のせいか、大人になった今も仕事の締め切りが迫ってくると、ついつい食べたくなる。コーヒー片手にひと晩で1箱全部を食べてしまうことも。

透明容器は、当初、同様の商品がなく、あえて中を見せ子供に安心感を与えることも狙いだった。(写真は2016年現在の商品)

多彩な小粒チョコたちが、僕たちの子供時代を豊かにしてくれた

61年発売『マーブル』はカラフルな粒が魅力で、小粒菓子の代表的商品だ
69年発売『アポロ』の粒は、月面着陸を果たしたアポロ11号の司令船の形からきている
71年発売『コーヒービート』は形もコーヒー豆そっくりで、食べるとちょっと大人気分になれた

協力:明治

【「昭和40年男」Vol.39(2016年10月号)掲載】

文:舘谷 徹/昭和40年7月、埼玉県生まれのライター・脚本家。広報誌やWeb記事、ドラマやアニメの脚本を執筆。プラネタリウムで活動する市民グループにも参加中

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