晩春の楽しみ。

今年の立夏は5月5日だったから、厳密に言えばこのタイトルは間違いということになるが、まあ僕にとってたけのこは春の最後の砦の存在なんで許してちょうだいな。毎年5月になるとドッサリのたけのこが友人より届く。とても食い切れる量じゃないからお世話になっているご近所さんに配ると、今年もありがとうと言われる恒例行事だ。そして残りはたけのこ三昧で楽しむ。和食から洋食、中華まで守備範囲が広く、タイ風カレーなんてエスニックにまで大活躍する食材だ。でも何が楽しみったらやはりこの若竹煮がベストワンである。

たくさん送っていただけるゆえの贅沢で、若竹煮はご覧の通り先っぽの柔らかいところだけを昆布と鰹の濃いめに取っただしで炊く。だしが濃いから塩分は極々控えめで、甘みは酒しか使わないのが北村流だ。えぐ味がしっかりと残っているのをいただくのは本当に贅沢だと毎年唸る。自然の恵みを体に取り込んでいく気分を味わえる贅沢ってのは、日本人のルーツに触れるような想いがして大変よろしい。舌に集中しながら食い、そこにじっくりと流し込む焼酎のうまいこと。自然の恵みへの感謝とともに、酒をたしなめることを神に感謝するほどの極楽へと行ける。

こいつが届いたのが5月5日の立夏で、晩春の贈り物がこの日に届いたのがうれしい。友人宅ではゴールデンウィークに女房の実家に家族で遊びに行き、裏山でたけのこ狩りをするそうだ。そんな楽しそうな絵を思い浮かべながら食うのもこの料理の贅沢である。

この歳になると、毎年恒例という喜びが大きくなるものだ。そして不思議なことに、かつて見ていた年寄りたちにどんどん近づいている。四季や自然と向き合って生きてきた日本人のDNAは、やはりきちんと備わっているんだなんて感慨深い。うーむ、なんだか今日のブログはおっさんを超えて爺さんだなあ。

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