巻末特集は被災地より。

いよいよ明日が発売日じゃ。目の前にある本が愛おしくてかわいくて、もうほっぺたスリスリの僕です。書店の倉庫で明日の出番を待っている分身たちよ、全国でがんばるのだぞ。目指せ完売!! つうわけで、ここ数日予告編をお送りしているわけだ。今日は昨日までのトーンとはチョット異なる企画のご案内である。

隔月刊スタートに踏み切ったこの本には、自分の仕事の歴史に大きく刻まれるであろう巻末特集を掲載した。タイトルは「俺たちの責務」。そう、おわかりになったことだろう、震災についてのページをつくったのだ。震災の起こった日はなんと前号の発売日であり、隔月発行の発表になった大事な号だった。当日のブログからは、まだ被災する前のワクワクする心がリアルに残っている。駄文を書き上げた数時間後、日本は大きな傷を負った。正直な気持ちとして本棚に刺さっている自分の本が不謹慎にも見えた。いいのか? この時節にこんなふざけた本を売ってと。でも、懸命につくったのは事実であり、たくさんの人の夢が乗っているのである。売れてほしいと願いつつも、自分の分身が並んでいる書店に足が向かなかった。

今、こんなことを書きながら、取材現場でのこと、そしてページをつくったときの気持ちがフラッシュバックしてくる。長い取材人生で、まったく心が躍らない取材というのは初めての経験で、行きたくないとまで思った。報道の人たちはタフなんだなと敬礼した取材でもあった。同行してくれたカメラマンの武田とはもう15年近くのつき合いで、これまでいくつもの現場を共にしてきたが、今回の取材ほどその歴史に感謝したことはない。同じ気持ちで現場にいられることや、心の底から言葉を発せられること。ヤツがいなかったら今回の取材は誰かに任せたかもしれない。もっといえば、ヤツが第4号の特集で川原さんという偉大なタメ年医師を見つけて掲載したことが、今回の取材を敢行するキッカケになったのである。震災を知り、なりふり構わず現地に入った川原医師サイドからコンタクトを取ってきてくれたのだ。そこに乗っかったカタチで現地に入ったともいえる。そんな風につくったページが明日、皆さんの目に触れるのだ。縁や人のつながりからものづくりの現場が動くのだな。

12ページもの誌面を使い、懸命につくった記事。ぜひご覧あれ。

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